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経済安保推進法が成立 23年から施行、供給網を強化

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岸田文雄政権が看板政策に掲げる経済安全保障推進法が11日の参院本会議で可決、成立した。半導体など戦略的に重要性が増す物資で供給網を強化し、基幹インフラの防護に取り組む体制を整える。2023年から段階的に施行する。

経済安保法は①供給網の構築②基幹インフラの安全確保③先端技術の官民研究④特許の非公開――の4本柱で構成する。

戦略物資の調達を海外に依存するリスクを減らす。国が半導体、レアアース(希土類)などの重要鉱物、蓄電池、医薬品などを「特定重要物資」に指定する。対象物資はこれから政省令で定め関連産業向けの財政支援は厚くする。

供給の滞りを避けるため、企業の原材料の調達先や在庫を調査する権限を国が持つ。公的な支援を受けている場合、調査を拒めば罰則を科す。

基幹インフラに安保上の脅威となる外国製品が入らないための仕組みもつくる。電気や金融、鉄道など14業種を指定し、事業者は管理システムの概要や仕入れ先、部品の詳細について事前に国に報告する義務を負う。

サイバー攻撃によるシステム障害や情報流出のリスクを審査する。必要があれば設備の変更を勧告、命令する。米政府が使用を禁じる中国の華為技術(ファーウェイ)製品などを念頭に置く。

人工知能(AI)や量子といった各国が開発競争する先端技術を巡っては、官民で研究・開発する環境を整える。テーマごとの官民協議会の設置を促し、企業や大学への資金支援をする。高度な研究を進めるため、政府の機密情報を守秘義務を課して提供する。

核兵器の開発につながるウラン濃縮技術など軍事転用の恐れがある技術の特許は非公開にする。年間30万件ほどある特許出願のうち数件程度の認定を見込む。防衛省などの担当者が審査する。

虚偽の届け出や情報漏えいには最大で「懲役2年以下」の罰則を科す。

公布後2年間で段階的に施行する。まず供給網強化と先端技術の官民協力を公布後9カ月以内に始める。施行は23年からになる。次に基幹インフラの安全確保、最後に特許の非公開を始める予定で24年を想定する。

松野博一官房長官は11日午前の記者会見で「分野横断的かつ法制上の手当てが必要な喫緊の課題に対応する。日本の経済安保の確保に向けた重要な一歩だ」と述べた。

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