尹氏の対日姿勢見極め 与野党、日米韓の結束求める声

日本側は9日の韓国大統領選で当選した尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏の対日姿勢を慎重に見極める。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年12月の日韓合意に韓国側が立ち返るのを両国関係改善の第一歩とみる。
与野党からは10日、対韓外交への言及が相次いだ。
岸田文雄首相は都内で記者団に尹氏の当選を「歓迎する」と述べた。「ルールに基づく国際秩序の実現や地域、世界の平和・安定・繁栄に健全な日韓関係は不可欠だ」と強調した。
「日韓関係は大変厳しい状況にあるが、このまま放置はできない」とも話した。
自民党の佐藤正久外交部会長は党会合で「複雑骨折した日韓関係が保守政権が誕生したから簡単に改善するという夢想は捨てた方がいい」と呼びかけた。慰安婦問題などに関し「日本の方から譲歩するなどの前のめりは絶対してはいけない」と主張した。
日米韓の結束強化を求める意見も強い。高市早苗政調会長はツイッターで、北朝鮮の核開発や拉致問題への対処を巡り「日米韓協力の深化を期待する」と投稿した。
公明党の山口那津男代表は党会合で「日韓関係の改善に向けてともに歩むことができるよう努力したい」と述べた。「日本と韓国、米国を含めた結束が地域の安定に必要不可欠だ」と呼びかけた。
立憲民主党の小川淳也政調会長は記者会見で「まず国際法にのっとった形で対話できる環境のもとに信頼関係を構築するのが一番重要だ」と指摘した。「両国の友好と平和な2国間関係に貢献していただくことを望みたい」と言及した。
日本維新の会の馬場伸幸共同代表は「隣国と争っても日本側のメリットはない」と強調した。「新大統領が就任し、日韓関係が改善されていくことには我々も協力していきたい」と言明した。
共産党の志位和夫委員長は記者会見で「関係の改善、両国の友好と協力の発展を強く願う」と発言した。
国民民主党の玉木雄一郎代表は記者団に「様々な協定をしっかり守り、停滞した戦後最悪ともいわれた関係の改善に努力することを期待する」と触れた。