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首相、金融所得課税「当面触らず」 賃上げ税制など優先

(更新)
所信表明演説をする岸田首相(8日、国会内)

岸田文雄首相は10日のフジテレビ番組で株式の配当や売買にかかる金融所得課税を当面は強化しない考えを明らかにした。「当面は触るということは考えていない。そこばかり注目されてすぐやるんじゃないかという誤解が広がっている」と説明した。

首相は4日の就任時の記者会見で見直しを「選択肢の一つ」として検討する意向を示していた。「貯蓄から投資」に逆行する政策として株価下落の原因だと懸念する声があり市場の反応に配慮したとみられる。

松野博一官房長官は11日の記者会見で「首相の考えを踏まえ、まずは賃上げに向けた税制や下請け対策の強化などに取り組む」と話した。2022年度税制改正で議論しないのかと問われ「(賃上げなどの)あとの進め方は現在検討している」と述べた。

首相は8日の所信表明演説で触れなかった。10日には「金融所得課税を考える前にやることはいっぱいある」と言明。従業員の給与を増やした企業への優遇税制や、看護や介護、保育に従事する人の収入の引き上げなどに優先して取り組むと力説した。

党総裁に選出されて以降、株価が下落していることを巡り「仮に私の考え方が影響しているならば誤解を解いていかなければいけない」と語った。「成長があってこその分配だ。成長がまず大事だというのが基本的な考え方だ」と強調した。

首相は10日、自民党本部で記者団に「さまざまなメニューのなかで優先順位を申し上げた」と付け加えた。分配政策に関し「まずは賃上げ税制、下請け対策、看護・介護・保育といった公的価格の見直しから始めるべきだ」との見解を示した。

金融所得課税の強化は「選択肢を並べたうちの一つ」と訴えた。ほかにも多数の政策を掲げてきたと指摘し「それぞれ大変重たい課題であるので、これをしっかりと進めていくことを優先させたい」と主張した。

金融所得課税の税率は一律20%だ。年間の所得が1億円を超えると所得税の負担率が下がる「1億円の壁」と呼ぶ課題が指摘されてきた。

首相は「成長と分配の好循環」という経済政策の一環として総裁選の公約に金融所得課税の見直しを盛り込んだ。首相の意向を踏まえ、現在20%の税率を一律で引き上げる案や、高所得者の負担が重くなるよう累進的に課税する案が出ていた。

首相は10日のフジテレビ番組で非正規社員や子育て世帯などへの給付金に関し「昨年は時間がかかった、混乱したなどいろんな指摘があった」と振り返った。「反省をもとにプッシュ型で迅速に支給するためにはどういった形がいいのか具体的な形を判断したい」と説いた。

財務省の矢野康治次官が月刊誌「文芸春秋」に「本当に巨額の経済対策が必要なのか」と寄稿した点についても言及した。首相は「いろんな議論があっていいと思うが、いったん方向が決まったら関係者には協力してもらわないといけない」と話した。

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