葉梨法相「死刑のはんこ押す地味な役職」「金や票集まらず」

自民党岸田派の葉梨康弘法相は9日夜、都内の会合で「だいたい法相は朝、死刑(執行)のはんこを押す。昼のニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職だ」と述べた。「法相になってもお金は集まらない。なかなか票も入らない」と強調した。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を受け、テレビ露出が増えたとの趣旨の発言もした。立憲民主党の逢坂誠二代表代行は即刻辞任すべきだとして、批判した。
葉梨氏は衆院茨城3区選出。8月の内閣改造で初入閣した。葉梨氏の入閣後、死刑は執行されていない。
葉梨氏は、岸田派の武井俊輔外務副大臣主催の会合に出席し「外務省と法務省は票とお金に縁がない。外務副大臣になってもお金はもうからない」と主張。「旧統一教会問題に抱き付かれてしまい、解決に取り組まなければならず、私の顔もいくらかテレビに出るようになった」と語った。
逢坂氏は共同通信の取材に「葉梨氏は旧統一教会による被害者の悲惨さも、法相の職責の重さも理解しておらず、閣僚失格だ」と述べた。共産党の小池晃書記局長も「弁解の余地のない大暴言だ。岸田文雄首相は直ちに辞職させるべきだ」として更迭を要求した。
法相の発言を巡っては、民主党政権時代の2010年に法相を務めていた柳田稔氏が「国会答弁は『個別の事案については答えを差し控える』『法と証拠に基づいて適切にやっている』の二つを覚えておけばいい」などと発言。国会で野党から「法相という職を汚している発言」と追及され、辞任した。〔共同〕
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