自民、積極財政議連が発足 PB黒字化目標の見直し議論

自民党の有志議員は9日、「責任ある積極財政を推進する議員連盟」を立ち上げた。国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度に黒字化する政府目標の見直しも含めて議論する。
議連は衆院当選4回以下、参院当選2回以下の議員で構成する。共同代表に中村裕之農水副大臣、谷川とむ氏、中西哲氏が就任する。
国会内で開いた設立総会は代理出席含めて95人が出席した。設立趣意書に「積極的かつ機動的な財政出動が経済を成長させ、総合的な国力の増強をもたらす」と記した。「令和の高橋是清、池田勇人を目指す」とも掲げた。
2~3週間に1回のペースで勉強会を開き、今春をめどに政府や党への提言策定を検討する。
設立総会には安倍晋三元首相を講師として招いた。安倍氏は財政の健全さをPBだけで測るべきではないと主張した。「財政政策がしっかりと雇用政策に働きかけをしているかやインフレ、金利の状況で判断すべきだ」と指摘した。
PBの黒字化目標についても「カレンダーベースで目標をおくべきでない」と述べた。中村氏は総会後、記者団に「PB目標(の見直し)について検討しなければならない」と言明した。