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首相、1日のワクチン接種「100万回超えた」 党首討論

(更新)

菅義偉首相と野党各党の党首による初の党首討論が9日午後開かれた。党首討論は2019年6月以来、2年ぶり。

討論する菅首相(左)と立憲民主党の枝野代表(9日)

立憲民主党の枝野幸男代表は新型コロナウイルス対策を巡り「(感染拡大の)第5波は絶対に防がなければいけない」と主張した。3月に緊急事態宣言を解除したのは「早すぎたのではないかと思わざるを得ない」と追及した。

現在発令している宣言解除の判断を巡って「厳しい基準を明確にすべきだ」と説いた。東京都については1日あたりの新規感染者数が50人程度に下がるまで厳しい対策を続けるべきだと強調した。

首相は「ワクチン接種こそが切り札だ」と答えた。8日に1日あたりの接種件数が100万回を超えたと説いた。「10月から11月にかけては必要な国民、希望する方すべてを終えることも実現したい」と表明した。

「重症化しやすい高齢者は7月中には接種完了する」とも説明した。全国の98%の市区町村でこの目標を達成できるとの認識を示した。接種回数について「6月末までには4千万回を超えることができる」との見通しも提示した。

首相は「新型コロナは世界どこでも、ロックダウン(都市封鎖)をやった国でも簡単には収まっていないのは事実だ」とも指摘した。

枝野氏は「世界中全てがうまくいかなかったわけではない」と分析した。感染抑制に「成功している国もある」と言及した。ニュージーランドやオーストラリア、台湾を挙げた。

首相は立民が掲げる「ゼロコロナ戦略」に触れ「無症状者も検査することになる」と語った。「御党は特別措置法の改正に非常に慎重な立場だった」とも発言した。「どうやって国民に検査を受けてもらうのか聞きたい」と質問した。

枝野氏が例示した国・地域について「罰金などによる強い私権制限をしている」と言い返した。「豪州は人口密度が日本の100分の1だ。比較はいかがなものかと思う」と反論した。

枝野氏は日本でワクチン接種で「集団免疫」を得られる時期に関し「秋になっていかざるを得ない」と唱えた。「緊急事態宣言をどこかで解除する。東京五輪・パラリンピックを強行するなら『第5波』に備えて防がなければならない」と話した。

解除後に再び宣言を出すと「商売や生活が成り立たなくなることを考えながらどう対応するのかが求められている」と対処を促した。

1日あたりの新規感染者数を「東京都で50人レベルまで落とせば保健所が感染ルートを追いかけ、すぐに把握し、狭い範囲で短期間で封じ込めることは可能だ」と論じた。

首相は五輪について「水際対策を徹底しなければならない」と語った。海外から来る選手や関係者を当初予定の半分以下にしたと説き「さらに縮小する方向で検討している」と言明した。

「GPS(全地球測位システム)を使って行動を管理し検査も徹底する。事前に計画書を出させ登録し違反した場合は強制退去させる。安全・安心の大会にしたい」と強調した。

首相は1964年の東京五輪を「いまだに鮮明に記憶している」と振り返った。バレーボールやマラソンのシーンに触れ「ずっと忘れることができなかった」と発言した。「子どもたちにもやはり見てほしい」と呼びかけた。

枝野氏は「2年ぶりの党首討論で多くの国民が命と暮らしを守れるか注目している。ふさわしくない」と批判した。

政府の経済対策も議題になった。枝野氏は給付条件などが厳しく事業者などに届いていないと問題視した。「30兆円規模の補正予算を速やかに編成すべきだ」と提案した。

首相は「補正予算や新型コロナの予備費を含め、今年度への繰り越しが30兆円ある」と答えた。「これらを執行し、まずは全力で支援していきたい」と述べた。

今国会は16日に会期末を迎える。首相は会期延長について「国会のことは従来通り国会で決めていただきたい」と述べるにとどめた。

枝野氏は新型コロナ対策の補正予算案の策定や法案審議に対応するために会期延長が必要だと訴えた。「国会を閉じるのはまさに政治空白だ」と延長を求めた。

枝野氏は民主党政権で官房長官として東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故に対応した経験に触れた。「迅速に総合調整できる司令塔を構築する」よう唱えた。コロナ対策の情報発信を首相と官房長官、厚生労働相に集約するよう提案した。

「命と暮らしを守り、機能する政府を取り戻すためには政権を代えるしかない」と語り、政権交代の実現に意欲を示した。

10月に衆院議員の任期満了を迎える。日本維新の会の片山虎之助共同代表は衆院解散・総選挙に言及した。

片山氏は「新型コロナが予断を許さない状況になっている。選挙をやられたら新型コロナはどうなるのか、争いがない方がいいという意見もある」と説いた。「任期満了の選挙、解散しない選挙はいかがですか」と問うた。

首相は「新型コロナ対策が最優先と国民が一番期待している。新型コロナ対策にしっかり取り組んでいくことを優先していきたい」と答えた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は東京五輪・パラリンピックで新型コロナワクチン接種のデジタル証明書を先行導入すべきだと提案した。首相は「接種記録について世界でもいろんな動きが出ている。日本もいま加藤勝信官房長官のもとで検討している」と説明した。

玉木氏はワクチン接種の進展に関し「このタイミングで大規模補正予算、経済対策を打つべきだ」と言明した。

首相は20年度第3次補正予算などからの予算の繰り越しが30兆円程度あると改めて説いた。「そういう状況をみて判断する」と話し、21年度の補正予算案の編成に現時点で慎重な姿勢を示した。

玉木氏は本来なら繰り越し分は20年度内に執行すべき予算だとただした。「『やるべき宿題をしていないから、次の宿題ができない』と言っているのと同じだ」と返し、首相に早期の経済対策策定を要請した。

共産党の志位和夫委員長は「国民の命をリスクにさらしてまで五輪を開催しなければいけない理由は何なのか」と聞いた。首相は「国民の命と安全を守ることは私の責任だ。守れなくなったらやらないのは当然だ。それが前提だ」と明言した。

志位氏は「国民の命より大事なものはない」と五輪の中止を要求した。

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