半導体・蓄電池も重点審査、外国人投資で対象拡大 政府

政府は9日、外国人が安全保障上重要な国内企業の株式を取得する際の重点審査対象(コア業種)に、半導体や蓄電池など9物資に関わる業種を追加すると発表した。企業活動や国民生活に不可欠な物資への監視を強め、サプライチェーン(供給網)の確保や技術流出の防止につなげる。
財務省などが9日、外為法の関連告示の改正案について一般からの意見公募を始めた。今夏にも適用する見通し。この改正で経済安全保障推進法が「特定重要物資」に指定する11物資はすべてコア業種の対象となる。
追加対象は塩化カリウムなどの肥料、工作機械・産業用ロボット、蓄電池、金属鉱産物、金属3Dプリンター、永久磁石、製造装置などの半導体関連、天然ガス、船舶部品の9物資。製造や輸入などに関わる企業への投資に事前届け出を求める。
金属3Dプリンターは特定重要物資ではないが、コア業種への追加で技術流出や軍事転用を防ぐ。ドローンについて、既にコア業種である航空機製造業に含まれることを明確にする規定も盛る。
2019年11月成立の改正外為法は、外国人が安保上重要な企業の株式を取得する際の事前届け出基準を、持ち株比率で10%以上から1%以上に厳しくした。コア業種は武器や原子力などが対象。20年に新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医薬品と医療機器を追加するなど範囲を広げてきた。