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技術流出「抜け穴」ふさぐ 日本人への提供も規制

経済産業省

経済産業省は安全保障に関わる技術の国外流出を防ぐため、企業や大学が技術を提供する場合、相手が日本人や日本で雇われている外国人でも経産相の許可を得るよう義務づける。これまでは非居住者に提供する場合のみ許可制だったが「外国の影響下にある」と判断すれば居住者を対象に加える。日本企業の従業員らから中国などに技術が漏れる問題に対処する。

9日の経産省の有識者会議で議論した。近くまとめる報告書に盛り込む。外為法の運用に関する経産相通達を年内に改正し、2022年度からの実施をめざす。

外為法は軍事転用できる技術や情報の流出を規制する。外国に提供する場合に加え、国内の非居住者に伝えようとする場合も「みなし輸出」として管理している。現在は入国から半年未満で日本企業や大学に勤務しない非居住者に提供する場合に経産相に対する許可申請を義務付けている。提供する相手が企業や大学に雇われた外国人のときは許可は要らない。

外国人でも日本企業や大学に雇用されると外為法の規制対象から外れ、重要な技術情報にアクセスしやすくなる。中国政府は手厚い資金援助で世界の優れた研究者を囲い込む「千人計画」を進める。参加している日本人教授などを経由し安保技術が中国に流れるケースもあるとされる。こうした点は外為法の抜け穴と指摘されていた。

改正後は、相手が日本人や日本の企業に雇われている外国人であっても、外国から強い影響を受けているなら企業や大学が事前に許可を申請する必要がある。外国政府や外国企業と雇用契約を結んでいたり外国政府から重大な利益供与を受けていたりすれば、強い影響を受けていると判断。「重大な利益供与」の基準は今後明確にする。

企業や大学は通常、従業員や教職員を就労規則で管理する。利益相反になる外国企業との雇用関係があれば就労規則に沿って報告を受ける。通達の改正後、企業や大学は従業員などから報告を受ける情報に基づいて外国の影響下にあるかを判断する。こうした一般的な利益相反の管理をしていれば企業や大学は外為法違反に問われない。

基礎科学分野の技術や論文発表などで公知の技術は外為法の規制対象外のため、引き続き誰に提供しても問題ない。

外国の影響下にあるかどうかの判断を助けるため、政府は企業や大学に情報提供をする。日本には米国のようなインテリジェンス能力はなく、政府も個人と外国のつながりを把握しきれない。通達改正後も企業や大学の自己管理に委ねる部分が大きい。

米国の大学などは研究活動に対する外国の影響の把握を強めている。日本の企業や大学は管理が甘ければ米国などとの共同研究から外されるリスクも出てくる。

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