ファイザー製供給前倒しへ交渉 首相、参院代表質問
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岸田文雄首相の所信表明演説への代表質問が9日午前、参院本会議で実施された。首相は新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を巡り、米ファイザー社からの供給契約に関し「スケジュールの前倒しについて交渉を進めている」と明らかにした。
立憲民主党の小西洋之氏への答弁。政府は1日から医療従事者への3回目接種を始めた。2022年1月から高齢者らへの接種を開始し順次一般に広げていく予定だ。2回目接種後「原則8カ月」を待たずに3回目を接種できる体制をめざしている。
政府は22年分としてファイザーと1億2000万回分の契約を結ぶ。3回目接種に向けて自治体からはファイザーの供給増を求める声が出ている。
首相は新たな変異型「オミクロン型」の水際対策を巡る空港での検疫について「迅速に結果が判明しPCR検査と一致率が高い抗原定量検査が現時点では最も適している」と説明した。
空港検疫では入国者全員にPCR検査でなく抗原検査を実施している。陽性の場合はより詳しく調べるため国立感染症研究所がウイルスの遺伝子を解析する「ゲノム解析」を実施する。
日本ではワクチンの治験に時間を要し海外に比べ接種開始が遅れた。首相は「緊急時に安全性の確認を前提としつつ迅速な薬事承認ができるよう法整備する」と述べた。