中小企業向け「ゼロゼロ融資」月内終了 資金需要が一巡
政府は8日、新型コロナウイルス禍で業績が悪化した中小企業の資金繰りを支えた「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」を9月末で終了すると発表した。足元で資金需要が一巡しているのが理由で、危機対応も出口に向かう。

ゼロゼロ融資は2020年3月に始まった。当初は日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などの政府系金融機関が手掛け、同年5月からは民間金融機関も融資できるようになった。民間金融機関の受け付けは21年3月末に終了しており、現在は日本公庫や商工中金が実質無利子の融資を担っていた。
コロナ禍3年目の22年から返済が本格化し始めるため、返済負担の軽減に軸足を移す。今後は複数の借入金を1本にまとめて長期で返済する借り換え保証などの仕組みを検討する。
これまで日本公庫が6月末までに93.5万件、15.6兆円の融資を実行してきた。商工中金は3.6万件で2.6兆円だ。企業の倒産を歴史的な低水準に抑えた一方、慢性的な経営不振企業を無理に延命させている、との懸念もあった。
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