訪日外国人の地方誘致に注力 観光庁が基本計画

観光庁は8日、第4次観光立国推進基本計画案(対象年度2023〜25年度)をまとめた。3月中に閣議決定する。改定は6年ぶり。「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」が3本柱となる。
25年に訪日客数の過去最多(19年の3188万人)更新を目指す。都市部への客足偏在や観光公害といった課題を克服して観光立国の再生につなげる方針だ。
17年に改定した第3次計画は対象が20年度までだった。新型コロナウイルス禍で観光業が打撃を受け更新を見送っていた。今回は新型コロナ禍前の教訓も踏まえ、客数に依存しない指標を多く設定した。8日の有識者会議に示し、大筋で了承された。
25年時の目標はほかに「訪日客1人当たりの消費額を19年の15万9千円から20万円に増額」「三大都市圏を除く地方部での訪日客1人当たりの宿泊を19年の1.35泊から1.5泊へ引き上げ」などを列挙した。
自然や文化保全との両立を目指す「持続可能な観光」分野も目標を新設した。積極的に取り組む地域に今年2月時点で京都市など17地域が認められているが、25年に100地域までの拡大を目指す。
19年に過去最多の4兆8千億円を記録した訪日客消費は岸田文雄首相が5兆円目標を提唱した。25年を待たず早期達成を狙う。〔共同〕