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ガソリン価格介入に限界、原油高騰続く 補助25円到達も

経済産業省は9日、ガソリン価格の上昇を抑えるための補助金を10日から1リットルあたり17.7円支給すると発表した。これまでの5円から増やす。ロシアのウクライナ侵攻で原油価格が上がり、米国によるロシア産原油の禁輸などで高騰は続きそうだ。補助上限を25円に引き上げたばかりだが上限到達は近い。価格への介入には限界がある。

資源エネルギー庁が発表した7日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は1リットル174.6円だった。前週から1.8円上がった。上昇は9週連続。2008年以来の高値水準が続く。

経産省は今週、市場実勢で180.7円になると見込んでいた。給油所への卸値を抑制する原資として石油元売り各社に配った補助金の効果により、実際には174.6円に抑えられたと分析した。抑制効果は6.1円で、支給額5円を超えた。

灯油は1リットルあたり114.4円で前週比1.5円の上昇だった。抑制効果は6.5円だった。

原油コストが上昇している局面でも、給油所は競合との価格競争から値上げしにくい。補助金政策で値下げを求める消費者の声も大きい。値上げに二の足を踏む給油所が少なくないようだ。結果的に補助金の支給額よりも抑制効果の方が大きくなった。

原料の原油価格は高止まりが続く。ロシアのウクライナ侵攻により、原油の欧米指標先物は今週、いずれも一時08年以来となる1バレル130ドルを超えた。政府は元売りに支給する補助金の上限を10日以降、これまでの1リットル5円から25円へと引き上げる。全国平均のガソリン価格を1リットル172円でとどめることをめざす。

10日からは上限25円のうち17.7円を支給する。補助金がなければ14日に189.7円と予想し、08年に記録した過去最高の185.1円を上回る。

指標となるドバイの原油価格は7日以降、1バレル120ドル台後半で推移している。この水準が続けば21日のガソリン価格は補助金がなければ1リットル当たり200円前後になると見込まれる。補助金の支給額は17日にも25円の上限に達する可能性がある。

25円への拡充にあたり、21年度予算の予備費から3500億円を追加で確保した。25円の支給を1カ月間続けると最大3500億円程度が必要と見込んだためだ。補助金は3月末までの期間限定としているが、延長の公算は大きい。原油価格が下がらず、25円の補助を続けると、4月中にも財源が底をつく恐れがある。

岸田文雄首相はさらに原油価格が上昇した場合について「あらゆる選択肢を排除することなく政府全体で検討し、追加の対策も準備しておく」と述べている。政府内ではすでに「25円で足りるのか」といった指摘が上がっている。

ガソリン税を一時的に引き下げるトリガー条項の凍結を解除すれば、ガソリン価格は1リットルあたり25.1円下げられる。ただ、国と地方あわせて月1300億円の税収が欠ける。いったん発動すると元に戻すのが難しい問題もある。

米英がロシア産原油の輸入停止を決めたことで、原油価格が下がる余地は乏しくなった。燃料価格の高騰を広く抑制する対策を単に拡充させれば歳出に際限がなくなる。本来は市場で決まる価格に政府が介入し続けるには限界がある。

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