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経済安保法案、企業規制「最小限に」 政府が罰則案精査

経済界、過度な介入を警戒

小林鷹之経済安全保障相は9日、内閣府で経団連幹部と面会した。今国会に提出予定の経済安全保障推進法案について企業への規制を最小限にすると説明した。政府は2月下旬に予定する閣議決定へ罰則案などを精査する。国の過度な関与や企業秘密の開示への経済界の警戒を踏まえる。

経団連の片野坂真哉副会長が小林氏に推進法案を巡る意見書を提出した。推進法案は必要だと明記しつつ「企業が国内外問わず自由に事業活動を展開できる環境を維持・改善することが重要だ」と指摘した。

「諸外国から無用な批判を招くことのないよう国際ルールとの整合性を確保すべきだ」とも訴えた。公正な貿易を維持するための世界貿易機関(WTO)の補助金ルールなどを念頭におく。

片野坂氏は小林氏に「経済安保はまったなしの課題だ。新たな法案の提出も支持する」と伝えた。同時に「経済活動の自由や国際ルールとの整合性にも配慮し、経済界の考えも反映してほしい」と要望した。

経済安保は岸田政権が重要政策と位置づける。政府は今国会で推進法案の成立を目指している。法案は①サプライチェーン(供給網)の強化②基幹インフラの安全性確保③先端技術の官民協力④特許の非公開――の4本柱で構成する。

実効性を高めるために4項目全てで企業に罰則を導入する案がある。中国を意識して機微技術の漏洩防止や半導体など重要物資の調達強化を進める。

供給網の強化に関しては、半導体や希土類(レアアース)などの重要鉱物、医薬品を「特定重要物資」に指定し、企業に調達先や保管状況を開示させる内容を盛り込む。調査に対応しないと「30万円以下の罰金」を科す方針だ。

取引先などの情報は企業秘密に当たるため、経済界から慎重意見がある。

基幹インフラの安全性確保は電気や金融、鉄道など14業種を対象に、重要設備の導入前にサイバー攻撃のリスクを審査をする。製造国やメーカーを記す届け出を拒否した場合は「2年以下の懲役か100万円以下の罰金」とする想定だ。

官民が先端技術の開発で協力する際に、国の機密情報を企業に渡す制度を設ける。

情報を漏らした場合には「1年以下の懲役か50万円以下の罰金」を科すと定める方向だ。安保の観点から非公開に指定した特許内容を漏洩した際は「2年以下の懲役か100万円以下の罰金」とする見込みだ。

自民、公明両党は今週中にも法案審査を始める。企業への制約や罰則案をめぐっては与党内にも慎重論がある。

公明党の竹内譲政調会長は9日の記者会見で「経済界の立場から罰則などもよく熟慮し対象を絞ってもらいたいのは当然だろう」と語った。「自由な経済活動と安全保障のバランス、適切な解を見つけなければならない」と提起した。

政府は議論を踏まえて罰則の修正を検討する。適用範囲の縮小や罰則の軽減の可能性がある。

  • 著者 : 日本経済新聞社政治・外交グループ編
  • 出版 : 日経BP
  • 価格 : 2,640円(税込み)

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