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2月の街角景気、悪化幅拡大 ウクライナ・原料高に懸念

ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格の高騰や経済制裁が景況感に影響し始めた。内閣府が8日発表した2月の景気ウオッチャー調査(街角景気)は、現状判断指数(DI、季節調整値)が前月比0.2ポイント低い37.7と2カ月連続で悪化した。新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限も長期化し、回復途上の日本経済への逆風が強まっている。

前回1月調査は現状判断DIの悪化幅が19.6ポイントと、東日本大震災があった2011年3月に続く過去2番目の大きさだった。DIの悪化に歯止めがかからず、好不況の分かれ目となる50を割り込む水準が続く。

街角景気の調査期間は2月25~28日で、ロシアが24日にウクライナに侵攻を始めた直後にあたる。2~3カ月後の先行きに関する回答でコメントがあった1409件のうち2割弱にあたる237件がウクライナかロシアのいずれかに言及した。1月調査の5件から急増した。

家計に直撃するのが原油や小麦など原材料価格の高騰だ。ウクライナ侵攻後、原油価格は急騰した。

東北地方のスーパーは「エネルギー、食料品価格の高止まりは続き、食品の値上がりは継続する。客の財布のひもが固い状況は続く」と懸念した。北関東の旅行業者は「新型コロナの感染者数の減少により持ち直しを期待したが、政情不安感が増し、観光需要に水を差す」と訴えた。

原料高を十分に価格転嫁できていないとの指摘もあった。甲信越の食料品製造会社は「フィルムやパックなど原価に関わるものが全て値上げ。商材自体はまだ値上げできておらず、大変な事態になってきた」と語る。東北地方の輸送業は「タイヤやオイル、尿素水などが値上がりし、景気が良くなる要素はほとんどない」という。

供給網の混乱を不安視する声も広がる。近畿地方の住宅関連の専門店は「ウクライナ情勢の影響でさらなる原価の高騰や輸送網の乱れといったリスクが一気に増えている」と危惧する。「部品や半導体不足の状況が改善されるとは思えない」(九州の家電量販店)との意見も聞かれた。さらなるインフレにつながる懸念がある。

新型コロナも引き続き影を落とす。感染者数は減少傾向にあるものの、東京都や大阪府など都市部を中心に「まん延防止等重点措置」の延長が決まった。

2~3カ月後の先行き判断指数は44.4と前月から1.9ポイント改善した。ワクチン3回目接種が徐々に広がり、「新規感染者数が減少し、自粛の緩和を期待する」(中国地方のホテル)との声がある。「重点措置が解除されても一気に外食が増えるとは考えにくい」(南関東の居酒屋)と慎重な見方も残る。

内閣府は景気の現状に関して「持ち直しに弱さがみられる」との判断を維持した。先行きについては「ウクライナ情勢による影響も含め、コスト上昇などへの懸念がみられる」と警戒感を示した。

ウクライナ情勢は刻々と変化している。3月に入ってからは米欧や日本がロシアへの経済制裁を強め、ロシア事業から撤退する企業が相次ぐ。原油や小麦などの価格も一段と上昇している。内閣府は2月調査に関して「ウクライナへの侵攻が始まったばかりで、先行きが不透明だとのコメントがまだ多い」と説明した。

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