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賃上げで「デフレマインド脱却へ」、経団連・大橋氏

経団連で春季労使交渉を担う経営労働政策特別委員会(経労委)の大橋徹二委員長(コマツ会長)は8日、日本経済新聞などのインタビューに対して積極的な賃上げで「長く続いたデフレマインドから脱却することが大事だ」と述べた。持続的な賃金上昇には成長分野に人材移動を促し、労働生産性を高める必要があると強調した。

経団連は2023年の労使交渉の経営側指針となる「経労委報告」で、基本給を底上げするベースアップの検討を呼び掛けている。大橋氏は「消費者物価が上がっているなかで賃金上昇のモメンタム(勢い)を維持していく」として、物価高に負けない賃上げに意欲を示した。

連合の芳野友子会長が政府と経済界、労働団体による「政労使会議」の開催を提案し、経団連の十倉雅和会長も前向きだ。大橋氏は会議が実現すれば、賃上げ機運の醸成などを訴えるとした。連合側と認識は共通しているとも言及した。

日本の賃金水準は海外主要国に比べて低迷している。中長期的に企業の収益力を上げて賃金上昇につなげるには、労働生産性の向上が欠かせない。労働移動によってデジタルや環境分野など「産業構造の変化で伸びるほうに(人材が)シフトしていくのが重要だ」と説いた。新卒一括に偏った採用方法を見直し、経験者採用や通年採用を拡大すると提起した。

賃金上昇の波を広げるには中小企業の取り組みがカギを握る。原材料高などの影響を商品やサービス価格に適切に転嫁し、原資を確保できるかも問われる。「社会や消費者が値上げをある程度容認する雰囲気をつくる。サプライチェーン(供給網)のなかで適正な取引を行うことで富を共有すべきだ」と語った。

雇用者の約4割を占める非正規従業員の待遇改善も課題となる。一定の所得を超えると税や社会保険料の負担が生じる「年収の壁」が就業抑制の一因になっている。岸田文雄首相が対応策を検討すると表明したことを評価し「有期雇用で働きたい人に存分に働いてもらえる社会や仕組みをつくるのが大切だ」と唱えた。

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