旧統一教会問題、被害者救済法案が衆院通過
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世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の被害者救済に向けた新法案は8日の衆院本会議で与党と立憲民主党、日本維新の会などの賛成多数で可決し、参院に送付された。政府・与党は10日の成立を想定する。
本会議に先立つ衆院消費者問題特別委員会で、与野党が内容を一部修正した。自民、公明両党のほか立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が宗教団体などの法人が寄付を勧誘する際の「配慮義務」規定について修正案を共同提出した。
条文を「十分に配慮」とより強い表現にかえ、怠った場合は勧告や公表ができると修正した。施行後3年としていた見直し規定も2年に短縮する。政府に配慮義務の具体例を示して周知することなどを求める付帯決議も採択された。
岸田文雄首相は8日の特別委で新法案を巡り「法解釈のさらなる明確化など、実効性を高める努力を続けたい」と語った。
新たな規制によって「寄付の勧誘に支障があるといったことはなく、寄付文化の醸成に対する不当な抑制にはつながらない」と説明した。
法案は悪質な寄付の勧誘を禁止し、違反した場合は1年以下の懲役などの刑事罰を科す。宗教法人などが寄付の勧誘をする際に「個人の自由な意思を抑圧しない」といった3つの配慮義務を定めた。
立民と維新は3つの配慮義務は禁止規定とは異なり、違反しても罰則の対象にならないと主張してきた。自民党が修正案を提示し、野党側が受け入れ賛成に回った。
霊感商法の被害救済に向けた消費者契約法と国民生活センター法の改正案も8日の衆院本会議で可決され、衆院を通過した。