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経常黒字3兆5057億円、22年上期 8年ぶり低水準

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財務省が8日発表した2022年1~6月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同期比63.1%減の3兆5057億円だった。ロシアによるウクライナ侵攻を背景にした原油などの資源高や外国為替市場での円安が響いた。上期の経常黒字額としては14年以来、8年ぶりの低水準となった。

経常収支の黒字幅は21年上期から6兆21億円減った。減少額はリーマン・ショックの影響があった08年下期に記録した7兆1454億円に次ぐ大きさだった。上期としては比較可能な1986年以降で最大の減少額となった。

経常収支は輸出から輸入を差し引く貿易収支や外国との投資のやり取りを示す第1次所得収支、旅行収支を含むサービス収支などで構成する。

経常収支の黒字幅が縮小したのは原油や食料価格が高騰し、円安で輸入額が膨らんだためだ。上期の貿易収支は5兆6688億円の赤字となった。21年上期は2兆2823億円の黒字だった。

鉄鋼や半導体などの電子部品が好調で輸出額は18.2%増の46兆4079億円だった。輸入額は40.8%増の52兆767億円と、いずれも過去最大だったが、輸入が輸出の伸びを上回った。原油や液化天然ガス(LNG)、石炭といった燃料の輸入額が膨らんだ。

エネルギー価格そのものの上昇に加え、円安の影響もある。21年上期は平均で1ドル=107円81銭だったが、22年上期は同123円13銭と14.2%円安・ドル高が進んだ。原油価格は円ベースで1キロリットルあたり7万5506円と前年より83%上昇した。

海外からの利子や配当の収入を示す第1次所得収支は前年同期比22.4%増の12兆8728億円と過去最大になった。世界で事業を展開する企業の拡大により、海外の子会社から受け取る配当金は増加傾向にある。

サービス収支は2兆4947億円の赤字だった。赤字幅は4106億円増えた。製造業を中心に日本企業が海外に支払う研究開発費の増加が赤字拡大の要因となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、インバウンド(訪日外国人)の低迷も影響した。

6月単月は1324億円の赤字

6月単月の経常収支は1324億円の赤字だった。経常赤字は1月以来、5カ月ぶりとなる。

貿易収支の赤字傾向は足元でも変わっていない。貿易収支は1兆1140億円の赤字と、8カ月連続で赤字だった。輸出は前年同月比20.4%増の8兆5831億円、輸入は49.2%増の9兆6970億円といずれも最多となった。輸入額が輸出額を上回る構図が鮮明になってきている。

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