GDP年率3.5%増に上方修正 4~6月、設備投資伸び反映

内閣府が8日発表した2022年4~6月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%増、年率3.5%増だった。8月に公表した速報値(前期比0.5%増、年率2.2%増)から上方修正した。企業の設備投資が上振れしたことなどが寄与した。個人消費も速報値(前期比1.1%増)を上方修正し、1.2%増だった。
QUICKが事前にまとめた民間エコノミスト予測の中心値(年率2.9%増)を上回った。
改定値は1日に財務省が発表した4~6月期の法人企業統計を反映した。設備投資は前期比2.0%増で、速報値(1.4%増)から上方修正した。企業がソフトウエアなどへの投資意欲を高めている。
民間在庫変動はGDP全体への押し下げ効果を、速報値のマイナス0.4ポイントからマイナス0.3ポイントに見直した。自動車など輸送機械を含む仕掛かり品の在庫でマイナス幅が縮んだ。公共投資は前期比1.0%増で、速報値(0.9%増)から上方修正した。
GDPの半分以上を占める個人消費は、自動車など耐久財のプラス幅が0.9%と、速報値(0.3%増)から拡大した。サービス消費は速報値(1.4%増)から横ばいだった。
海外からの所得や交易損失などを考慮した実質国民総所得(GNI)は0.2%増となった。資源高で交易損失は拡大したが、GDPが大きく上方修正されたことで、0.1%減だった速報値からプラスに転じた。
4~6月期の実質GDPは年換算の実額で544兆円となり、速報値(542.1兆円)から微増した。速報値時点での、新型コロナウイルス禍前の19年10~12月期(540.8兆円)超えを維持した。