高市氏、総裁選出馬を正式表明 「日本経済強靱化」提唱
高市早苗前総務相は8日、国会内で記者会見し、自民党総裁選に出馬すると正式表明した。女性議員の立候補は2008年の小池百合子氏以来だ。政治信条の近い安倍晋三前首相のほか、かつて所属した現細田派の一部や保守系議員が支援する。
出馬表明は岸田文雄氏に続き2人目。総裁選は出馬の意向を固めた河野太郎規制改革相を加えた3氏が軸になるとみられる。
高市氏は経済政策の柱に①金融緩和②緊急時の機動的な財政出動③大胆な危機管理投資・成長投資――を挙げて「サナエノミクスの3本の矢」と表現した。「日本経済強靱(きょうじん)化計画で経済をたてなおし、成長軌道に乗せていく」と強調した。
政府と日銀が掲げる2%の物価安定目標を達成するまで、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標を凍結すると唱えた。政府は25年度のPB黒字化を目標としている。
消費税については 「現在の税率から下げることはしない」と語った。今後の感染症対策ではロックダウン(都市封鎖)を可能とする法整備を早急に検討すると述べた。先端技術の海外流出を防ぐため「経済安全保障包括法(仮称)」の整備も訴えた。外国人研究者への査証(ビザ)発給を厳格にすることなどが念頭にある。
高市氏は無派閥で、衆院奈良2区選出の当選8回。安倍政権で党政調会長や総務相を務めた。8月に出馬に意欲を示し、政策集の出版などの準備を進めていた。
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菅義偉首相の後継を決める自民党総裁選には河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子の4氏が立候補。9月29日に投開票され、岸田氏と河野氏の決選投票の結果、岸田氏が新総裁に決まりました。岸田氏は10月4日召集の臨時国会での首相指名選挙を経て第100代首相に就任しました。
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