景気「足踏み」に下方修正 22年12月の動向指数
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内閣府が7日発表した2022年12月の景気動向指数からみた国内景気の基調判断は「足踏みを示している」となり、21年9月以来、1年3カ月ぶりに下方修正した。海外経済の減速を背景に、ボイラーといった機械部品の出荷やアジア向けの輸出が落ち込んだ。
景気動向指数(CI、2015年=100)の速報値は、足元の経済動向を示す一致指数が前月比0.4ポイント低い98.9だった。4カ月連続のマイナスとなった。
基調判断は指数をもとに機械的に作成し、「改善」「足踏み」「局面変化」「悪化」「下げ止まり」の5種類ある。改善は景気拡張の可能性が高く、悪化は景気後退の可能性が高いなどと定義している。景気循環の局面を探る指標として重視される。「足踏み」となるのは22年1月以来11カ月ぶり。
一致指数を構成する10項目のうち集計済みの8項目を見ると、4項目が下落、4項目が上昇要因となった。輸出の落ち込みが大きく、指数全体を押し下げた。内閣府が算出した12月の輸出数量指数では、中国向けの半導体製造装置や自動車部品の低下が目立った。
ボイラーや内燃機関といった機械部品の出荷も減った。鉱工業生産指数や卸売業の販売額もマイナスに寄与した。
2〜3カ月後の景気を示す先行指数は前月から0.5ポイント低い97.2だった。下降は2カ月連続。電子デバイスの出荷が進まず、在庫率が上昇したことや、新規求人数が減ったことがマイナス要因となった。