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「原発、低炭素の基幹電源として重要」 日米財界人会議

日米財界人会議は7日、「原子力について低炭素の基幹電源としての重要性を認識すべきだ」との共同声明を公表した。世界的な脱炭素の流れを踏まえつつ「選択肢を早まって狭めないような方法」を両国政府に求めた。日本では岸田文雄政権が発足したタイミングで、エネルギー政策に関する経済界の考え方を改めて強調したかたちだ。

月内の閣議決定を見込む日本のエネルギー基本計画案は原発の建て替えや新増設に言及していない。原発はいまあるすべてを最長60年の期間いっぱい運転しても2060年代にゼロになる。脱炭素の実現には原発の議論が欠かせない情勢だ。

共同声明は再生可能エネルギーや水素などが電源の大勢を占めるまでの間、原子力発電や液化天然ガス(LNG)を活用する重要性に言及した。脱炭素の推進で混乱を招かないよう段階的な移行を促した。

原子力を巡っては米国が先行する小型炉の研究協力も求めた。会議終了後に記者会見した日米経済協議会会長の平野信行氏(三菱UFJ銀行特別顧問)は「安全性、分散化の観点から小型炉の開発は有望だというのが日米財界の共通認識だ」と語った。

声明は、中国や台湾が加盟申請した環太平洋経済連携協定(TPP)については米国の再加盟を促した。米国はトランプ前政権時代に離脱し、これまでは日本側から復帰を求める声が出ていた。今回は「米財界からも復帰を望む声が大きく、声明も一歩踏み込んだ内容となった」(平野氏)。

中国や台湾の相次ぐ加盟申請が影響したとみられる。新型コロナウイルス禍でサプライチェーン(供給網)が寸断され、自由貿易の促進が経済回復の重要課題となっていることも背景にある。

軍事転用が可能な機微技術や重要物資の取り扱いを巡り、経済安全保障の観点から国際的な緊張が高まっている状況もある。声明は日米を中心とした同志国での供給網構築を提言した。

企業にとっては何が機微技術や重要物資に該当するのか分かりにくく、貿易促進の課題となっている。平野氏は「対象範囲を極力明確化した上で絞り込み、民間との対話でそれを明らかにしていくことが重要だという議論があった」と語った。

共同声明は付属文書として、日米企業に対して信頼できるIT(情報技術)事業者の条件も公表した。「企業データなどへの恣意的なアクセスが無く、政府の指示に協力する義務が存在しないこと」などを挙げた。中国企業などを念頭に置いているとみられるが、日米の経済協議会は「特定の企業を排除する趣旨ではない」と説明している。

日米財界人会議は1961年に始まり、今回で58回目。コロナ禍で2年続けて完全オンライン形式となった。

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