共産党、松竹伸幸氏を除名処分に 「党首公選制」を要求

共産党の小池晃書記局長は6日、著書で党首公選制の導入を求めた現役党員の松竹伸幸氏を除名処分にしたと発表した。除名は党規約の中で最も重い処分にあたる。松竹氏は同日に記者会見し、処分の撤回を求めると表明した。
松竹氏は1月に出版した著書で、党員の直接投票による党首公選制の実現を訴えた。共産党は同党の機関紙「しんぶん赤旗」で「規約と綱領からの逸脱は明らか」と松竹氏を批判していた。
小池氏は6日の記者会見で「党規約が異論を許さないものであるかのように事実をゆがめて攻撃している」と主張した。「党の中で意見をきちんと述べることなしに、突然攻撃してきたことが(除名の)理由だ」と語った。
松竹氏が所属する京都南地区委員会常任委員会は5日、同氏の言動が「党内に派閥・分派はつくらない」と定めた党規約に違反するのを理由に除名を決めた。6日の京都府委員会の常任委員会で正式に承認された。
松竹氏は6日、都内の日本記者クラブで記者会見した。「出版が分派活動として処分されるならば、憲法の言論・表現の自由は死ぬ」と強調した。除名処分に関して「党の現状をさらに深刻にさせる。共産党も滅びかねない」と指摘した。
共産党は2024年1月にも党大会を開く予定だ。松竹氏は処分を不服として再審査を求める考えを示した。党大会で党首公選が議決できるように「賛成する代議員を増やす」と述べた。