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「敵基地攻撃能力」の検討伝達 日米、中国抑止を強化

岸田政権初の2プラス2 極超音速弾など対処へ技術開発

(更新)

日米両政府は7日、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をオンラインで開いた。日本はミサイル防衛を強化するため「敵基地攻撃能力」の保有を検討すると伝え、米側は歓迎した。極超音速兵器など「ゲームチェンジャー」に対抗する技術開発の協定も結んだ。

日米2プラス2は2021年3月以来10カ月ぶりで、岸田政権の発足後は初めて。日本は林芳正外相と岸信夫防衛相、米国はブリンケン国務長官とオースティン国防長官が参加した。

中国の脅威を念頭に安全保障協力を深める。共同文書で「中国による地域の安定を損なう行動の抑止へ必要であれば対処へ協力する決意」と触れた。台湾有事などを念頭に置いたとみられる。

「それぞれの安保戦略の主要文書を通じ、優先事項の整合性を確保する」とも記した。

日本は22年中に国家安保戦略など3文書を改定すると伝達した。「戦略見直しのプロセスを通じ、ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家の防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する決意」を表明した。

21年4月の日米首脳会談で打ち出した「日本の防衛力強化の決意」を反映する。

安保戦略の改定は相手のミサイル発射拠点をたたく「敵基地攻撃能力」の保有が焦点になる。ミサイル技術の高度化で迎撃が難しくなり、岸田文雄首相は「選択肢の1つ」と指摘する。

「ゲームチェンジャー」と呼ぶ新型兵器への対応を新たに掲げた。核の搭載が可能でレーダー追跡と迎撃が難しい極超音速ミサイルや人工知能(AI)技術を用いた自律型兵器、宇宙技術などを想定する。

中国やロシアが開発で先行する極超音速ミサイルは米国の防衛網を突破する可能性が指摘される。北朝鮮は5日に極超音速型と称するミサイルを発射したと発表した。中国が5年間で極超音速兵器の実験を数百回したとの米軍の分析もある。

中ロはAIを使って情報収集から攻撃まで無人で担う最新鋭のロボット兵器も開発中だ。中国は人工衛星を多数打ち上げ、通信や情報収集に利用する。1万基以上の小型衛星からなる「コンステレーション」計画も進んでいるもようだ。

日米は技術開発協定に沿って研究分野や協力方法の詳細を詰める。宇宙、サイバー、電磁波の「新領域」へと共同対処の領域を広げる姿勢を鮮明にする。

共同文書は中国の脅威を意識した直接的な記述が目立った。21年3月の前回2プラス2の文書と比べ分量は倍になった。「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と改めて強調した。

共同文書で日米は「緊急事態に関する共同計画作業の確固とした進展」に言及した。共同計画は15年に策定した日米ガイドラインに基づき、共同対処の内容を決めておくものだ。台湾有事を念頭にした作戦づくりの前進がうかがえる。

中国公船が周辺領海に侵入を繰り返す沖縄県尖閣諸島への日米安保条約5条の適用も再確認した。

自衛隊の拠点に関し「日米の施設の共同使用を増加させる」と盛り込んだ。中国や台湾に近い南西諸島の防衛体制強化にも取り組む。自衛隊と米軍の運用の一体化を進め、高度な訓練や作戦につなげる。

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