/

スマホOS、公取委も調査 Apple・Googleが対象

公正取引委員会は6日、スマートフォンに搭載する基本ソフト(OS)市場の取引実態の調査に乗り出すと発表した。国内市場で9割以上のシェアを握る米アップルと米グーグルが事実上の対象で、支配的な立場を利用してアプリ事業者などの新規参入や競争を妨げていないか調べる。競争政策上の問題点を洗い出し、巨大IT(情報技術)企業による囲い込みの是正につなげたい考えだ。

公取委の菅久修一事務総長が同日の記者会見で表明した。OS事業者やアプリの開発事業者、スマホ利用者に聞き取りやアンケート調査を実施する。スマホだけでなく、スマートウオッチなどウエアラブル端末を含む周辺機器の市場の実態把握を進める。市場構造や競争が働かない理由を報告書にまとめる。

OS市場の寡占状況を巡っては政府のデジタル市場競争会議も調査を進めており、公取委は同会議とも連携する。競争を妨げる行為が見つかれば、報告書では競争政策上や独占禁止法上の問題点も指摘する。

政府は2月にデジタルプラットフォーム取引透明化法を施行した。政府が仮にOS市場を同法の規制対象にすると決めた場合、OS事業者は経済産業省に対して取引実態の定期的な報告を求められる。

国内のスマホに搭載されているOSのシェアはアップルの「iOS」が7割弱、グーグルの「アンドロイド」が3割でこの2社に集中する。音楽・動画や電子書籍、ゲームなどアプリを提供する企業はOSの仕様に合わせないとスマホに搭載されない。

グーグルは端末メーカーに対してOS提供の条件として自社の検索アプリの搭載を要求しているとされる。端末を使う消費者はほかの検索アプリを使えない。

公取委は両社がOSを握っている立場を利用してアプリを囲い込み、消費者の利便性を損ねていないかを重点的に調べる。

米欧の競争当局も、巨大IT企業が消費者や取引先にかける制限の撤廃に動いている。

米連邦取引委員会(FTC)は5月に議会に提出した報告書で、端末に交換不可能な部品や特殊な接着剤を使うことで消費者や外部業者の「修理する権利」が損なわれていると指摘した。7月以降、反トラスト法に違反するような制限がないか調査を進めている。

2020年10月にグーグルを提訴した米司法省も、囲い込みを通じて独占が固定化することを警戒する。訴状ではグーグルがアップルに年間1兆円を超える対価を支払い、グーグルの検索サービスを「標準」にしていることを明らかにした。アンドロイド端末で自社製アプリを優遇しているとも批判した。

欧州連合(EU)の欧州委員会は18年、グーグルが端末メーカーに自社OSやアプリを抱き合わせで搭載するよう強制していたとして、競争法(独占禁止法)違反で制裁金を科した。

公取委は19年からデジタル分野を集中的に調べている。21年4月からはクラウドサービス市場の調査を進めている。今回の実態調査はネット通販市場・アプリストア、デジタル広告、クラウドサービスに続く第4弾として位置づける。

(金子冴月、デジタル政策エディター 八十島綾平)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン