安倍晋三元首相の国葬、費用総額16.6億円 政府公表
政府は6日、安倍晋三元首相の国葬にかかる追加費用が14億円程度になると明らかにした。松野博一官房長官が同日の記者会見で発表した。会場設営費などとあわせ総額は16億6千万円程度になる。これまで総額は国葬後に公表すると説明しており方針を転換した。
政府は8月26日、国葬の会場の借り上げや設営に必要な費用が2億5千万円になると試算し、予備費から支出すると閣議決定した。この金額には周辺の警備や海外から訪れる要人接遇の費用は含まれていなかった。野党側も反発していた。
14億円の内訳は警備費が8億円、外国要人の接遇にかかる経費が6億円だった。自衛隊の儀仗(ぎじょう)隊の車両借り上げに1000万円ほどを見込む。国葬に参列する海外の首脳級代表団の数は50程度と想定した。
政府がまとめた国葬の概要によると、追悼の辞は友人代表として菅義偉前首相を予定する。
菅氏は2012年の第2次安倍政権発足後、官房長官として安倍氏を支えた。首相、衆参両院議長、最高裁長官が追悼の辞を読む。天皇、皇后両陛下や上皇ご夫妻の使者の拝礼や、皇族の各殿下のご供花を予定する。
岸田文雄首相は8月31日の会見で「外国要人の数などが確定してからでないと、数字を示すことができない。できるだけ早く示すよう努力する」と語った。9月6日の自民党役員会で「説明責任を果たしたい。経費についても丁寧に説明する努力をする」と話した。
全額を国費で負担する国葬の開催を巡っては世論で賛否が割れる。政府にはあらかじめ概算額を公表することで理解を得る狙いがある。
首相は週内に予定する国葬に関する国会の閉会中審査に出席し、国葬を開くと決めた自らの判断について説明する。
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