「首相は踏襲でなく革新を」上川陽子・自民党幹事長代理
総理番が選ぶ「きょうの一言」(10月5日)

「日本にとって残された時間も体力も限られている。将来不安を抱え、国民の多くは『過去の踏襲』ではなく今こそ『危機克服のための革新』を岸田首相に望んでいる」(2022年10月5日、衆院本会議での代表質問で)
自民党の上川陽子幹事長代理は岸田文雄首相の所信表明演説への代表質問で訴えた。「日本にとって最大の危機は少子高齢化が極限に至り、人口が急減し、社会保障制度が危殆(きたい)にひんする恐れのある40年ごろに到来する」と説いた。
賃上げに向けた成長分野への労働移動やリスキリング(学び直し)の重要性も強調した。首相在任が歴代最長の通算8年8カ月にわたった安倍晋三政権でも「革新」が不十分だったと指摘される政策分野だ。
労働移動や学び直しの支援を通じて賃上げが進めば、消費拡大などによって経済成長につながり得る。可処分所得が増えれば経済的な理由で出産をためらう夫婦が減り、少子化対策に結びつく可能性もある。
上川氏は防衛力強化にも触れ「『危機克服のための革新』に向けて今こそ大きく舵(かじ)を切らなければならない」と結んだ。首相は10月中にまとめる総合経済対策や年内に改める国家安全保障戦略で従来の延長線にとらわれない「革新」が求められる。