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環境相、脱炭素「現実的対応」 経産相「原発を再稼働」

2050年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにし、30年度までに13年度比で46%削減する政府目標の達成に向けて、脱炭素政策の実行が岸田文雄政権のカギとなる。かじ取りを担うのが山口壮環境相と萩生田光一経済産業相だ。5日、初登庁した山口氏は「産業界からの意見も聞きたい」と述べ、「現実的な対応」を強調した。

「小泉進次郎前環境相が示した再生可能エネルギーの最大限導入の方針を受け止めながら、産業界からの意見も聞いた上で進めたい。現実的な対応を考えていく」。山口氏は初登庁後、幹部へ脱炭素政策の方針をこう指摘した。再生エネ拡大に向け企業のイノベーションを推進する姿勢を示した。

再生エネは短期的には企業の電気料金の上昇要因になることもある。小泉氏の再生エネを最優先する姿勢には企業側から懸念も出ていた。経済界からは既存の原発の再稼働を望む声が大きい。政府はエネルギー基本計画案で既存の原発の再稼働を進めて発電量に占める比率を現在の約6%から30年度に20~22%に引き上げる方針を掲げる。

萩生田氏は5日の就任記者会見で原発について「安全が確認された原子力発電所の再稼働を進める」と述べるにとどめた。経団連からは原発の新増設を求める声が上がっているが、言及しなかった。「核燃料サイクルも有害度の軽減などの観点から引き続き推進する」と語った。

政府は11年3月の東京電力福島第1原発事故以降、再稼働に取り組んできたが、期待通りに進んでいない。原子力規制委員会の安全審査をクリアするのが難しく、廃炉になった原発もある。住民らが起こした裁判で再稼働した原発が停止する事例もあった。東電は柏崎刈羽原発をめぐる不祥事で再稼働が遠のいた。

経産省は再生エネの発電量の割合を30年度に36~38%に引き上げる目標をエネルギー基本計画の原案に盛り込んでいる。萩生田氏は計画について10月末に開かれる第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)までの閣議決定をめざす考えを明らかにした。

再生エネ拡大策は太陽光が中心となるが、地域住民の理解や土地の確保など制約もある。原発も再生エネも飛躍的に拡大できなければ政府目標の達成は難しい。菅義偉政権下での目標設定の過程では環境省と経産省の間で摩擦も目立った。両省が一丸となって脱炭素政策を実行できるかが問われている。

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