ワクチン、ベトナムへも提供 政府調整

自民党の佐藤正久外交部会長は5日のBSテレ東番組で、新型コロナウイルスワクチンについて政府がベトナムへの提供を調整していると明らかにした。「ベトナムとも調整を始めた。良い流れができ始めている」と述べた。
ベトナムはこれまで感染を抑制していたが、4月から感染者数が急増した。ワクチンの調達が遅れており、日本に支援を求めていた。
日本から海外への提供は124万回分を無償供給した台湾に続く2例目となる。ベトナムに提供するのは台湾と同じアストラゼネカ製になる見通しだ。
政府は東南アジアや中東、太平洋の島しょ国などへの支援も検討する。感染状況だけでなく日本との関係などを踏まえて相手先を判断する。
ベトナムは中国との領海問題を抱える。菅義偉首相が2020年10月に訪問するなど関係強化を狙う国の一つだ。
日本は米ファイザーと米モデルナのワクチンで約2.4億回分(約1.2億人分)を確保した。英アストラゼネカとも1.2億回分の供給契約を結んだ。アストラゼネカ製は5月に薬事承認した。
政府は国民全員分のワクチンを確保したと判断し、アストラゼネカのワクチンは公的接種の対象から当面外す。国内接種で必要な分を上回るワクチンは海外支援に活用する。首相は3000万回分を海外に供給する方針を示している。