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所得格差、若年層で拡大 少子化に拍車の懸念

内閣府は7日、日本経済の現状分析や見通しなどをまとめたリポート(ミニ白書)を公表した。25~34歳で労働所得の格差が拡大する傾向にあると指摘し、背景に「男性の非正規雇用比率の高まり」があると分析した。単身世帯の所得が伸び悩み、若年層は結婚して子どもを持つという選択が難しくなっているとの見解も示した。

ミニ白書は「日本経済2021-2022 成長と分配の好循環実現に向けて」と題し、2021年9月にまとめた経済財政白書の後の情勢を分析した。

数値が大きいほど所得の格差が大きいことを示す「ジニ係数」について、一人ひとりの年収をベースに計算した。全体では02年の0.414から07年の0.416に上がったものの、その後は低下し、直近の17年は再び0.414になった。所得格差は全体として拡大傾向にはなく、07~17年には緩やかに縮小していたと分析した。

年齢階層別に計算すると、若年層で労働所得の格差が広がった。25~29歳は02年の0.240から17年は0.250に上昇し、30~34歳も02年の0.311から17年は0.318に上がった。内閣府は「男性の非正規雇用の比率が上昇し、労働時間が減少した」と説明した。

25~34歳を除く年齢階層では02年から17年にかけてジニ係数は下がっていた。年齢を重ねるとともに所得の差が開くため、中高年層はジニ係数の水準がもともと高い。人口の多い「団塊の世代」の退職が始まり、労働市場から退出したことで若年層から高齢層までを含めた全体の格差は縮小した。

内閣府は世帯あたりの所得で見たときにどのような変化があるかについても調査した。総務省の「全国家計構造調査」などを基に、格差が広がる傾向にある25~34歳で世帯の類型別に再分配前の所得の分布を比べた。

単身世帯の中央値は14年と19年で比べると360万円で変化がなく、300万円台の世帯がもっとも多かった。結婚しない人や晩婚化が進み、単身世帯そのものが増えている。

夫婦のみの世帯を見ると、共働きの夫婦が増えたことで中央値は14年の535万円から19年の616万円に上昇した。

夫婦と子どもがいる世帯も14年の493万円から19年は550万円まで増加した。500万円未満の層の割合が大幅に低下する一方、800万円以上の割合が上昇した。内閣府は「500万円未満の世帯では子どもを持つ選択が難しくなっていることがうかがえる」と説明した。

所得が伸びない若年層が結婚をためらい、結果として少子化が進む可能性がある。ニッセイ基礎研究所の天野馨南子氏は「結婚後の出産や子育て支援だけでなく、未婚化を防ぐかどうかが少子化対策につながる」と話す。

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