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原発運転60年超、経産省が法整備検討 規制委も容認姿勢

経済産業省は5日、原子力規制委員会の会合で、原則40年、最長60年と定める原子力発電所の運転期間の延長に向けた法整備を検討する方針を示した。規制委の山中伸介委員長は60年を超える運転を事実上認める考えを明らかにした。経産省は年末までに結論を出す方針で、政府内での調整を加速させる。

原発の運転期間の延長を巡っては8月に岸田文雄首相が電力の安定供給の観点から検討を指示した。規制委は5日、経産省資源エネルギー庁から検討状況を聴取した。

エネ庁の松山泰浩・電力・ガス事業部長は会合で「原発の停止期間を運転期間に算入しないことや、最長60年の上限見直しなど、これから議論を深める」と説明した。「必要に応じて法整備をしていきたい」と話した。

規制委の山中委員長は会合後の記者会見で原則40年、最長60年とする原子炉等規制法の規定に関し経産省を念頭に「利用政策側の判断でなされるべきもので、規制委から意見を言うことはない」と述べた。

60年を超える運転を事実上容認し、原発を推進する経産省に法整備を含めて検討を委ねる考えを示した発言だ。規定について「その部分は抜け落ちることになるかと思う」と削除の可能性に言及した。

規制委は2011年の東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえ、「規制と推進」を分離する体制見直しを契機にできた。推進政策と切り離して規制基準に基づき安全性を審査する。

20年7月には原子炉等規制法の運転期間に関する規定について「原子力利用の政策判断にほかならない」とする見解を公表。5日午前の委員会でもこれを踏襲し、運転期間の規定は受け身の姿勢で臨むことを確認した。

ただ安全性の観点から古い原発の運転の可否は、規制委が科学的・技術的に判断する。現在は運転開始から60年超の原発の安全規制はなく、規制委がつくる必要がある。

山中委員長は運転期間に関する安全規制について「一義的な上限を決めるのは技術的に不可能だ」と指摘した。「運転期間がどうなろうとも厳正な規制ができる仕組みにしていきたい」と述べた。何年かおきに検査や認可をする制度にするといった規制が想定されるとの見方を示した。

原発の運転期間を巡っては米英仏では運転期間の上限がなく、定期的に規制当局が安全性を確認する仕組みだ。米国では60年を超えて運転できる原子炉が6基ある。

日本ではもともと規定がなく、11年の原発事故を受けて12年に上限を設定した。運転期間の上限の延長や撤廃は反発を招く懸念がある。

古い原発に比べて新しい炉は点検や部品交換が容易で、原子炉の材料や構造の耐久性が高いといった改良で安全性が向上している。政府・与党内には「原発を活用するなら新型炉の建設が合理的」との声もある。

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