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抗体カクテルの発症前投与、厚労省承認へ 重症化を予防

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厚生労働省は4日、新型コロナウイルスの抗体カクテル療法に使う中外製薬の「ロナプリーブ」について発症予防薬としての承認を決めた。政府は感染拡大の第6波に備え、病床確保や重症化予防に軸足を置いた対策の強化を検討している。ワクチン接種に加え、高齢者や基礎疾患がある人の重症化を未然に防ぐ新たな手立てとなる。

同日開いた専門部会が了承した。早ければ5日にも正式に承認する。ワクチンをのぞけば国内で初の予防薬となる。

投与方法として皮下注射も新たに認めるが、治療目的の場合は点滴を優先する。注射の場合は腹部か上腕、ふとももの別の場所に4カ所打つ必要があり、患者の負担が一定程度あるためだ。

この抗体薬は米国では緊急使用許可を得て患者の家族など濃厚接触者向けに投与されている。同社は海外での承認状況などをもとに判断する「特例承認」を求めていた。

日本では重症化リスクがあるコロナの軽症者や中等症患者を対象に投与している。厚生労働省によると、10月20日までに国内で約3万6000人が投与を受けた。

現在、感染予防として接種を進めるワクチンは、新型コロナウイルスを攻撃する抗体を体内で数週間かけて作る。抗体カクテル療法は抗体を投与するため即効性があり、感染の可能性があっても早期の投与で効き目が期待できる。

抗体カクテル薬は国が買い上げて医療機関に配布している。公費で負担し無料で治療を受けられる。菅義偉前首相は10月中旬のインターネット番組で、在任中に1回当たり31万円の価格で50万回分の調達を指示したと明かしている。

必要性やコストなどの観点から使い道は限定する。すべての濃厚接触者を対象とはせず、家庭などで感染者が出た場合に重症化リスクの高い同居者や無症状の感染者を投与対象とする。ワクチン接種歴がないか、打っていても効果が不十分な人に限る。

厚労省は「感染症の予防の基本はワクチンで、(抗体カクテル薬が)ワクチンに置き換わるものではない」と指摘。ロナプリーブの投与対象人数が大幅に増えることはないとみている。

臨床試験(治験)では濃厚接触者や無症状のコロナ陽性者で効果があった。同社によると、家庭内の濃厚接触者を対象に発症リスクを8割低減する効果を確認した。感染が分かった無症状者でもリスクを3割下げた。

コロナ治療薬を予防薬として投与できれば濃厚接触者の発症や重症化が防げ、医療機関の負担を軽減できるとみられる。

製薬各社は国内外で開発を急いでいる。米メルクの飲み薬「モルヌピラビル」は4日に英国で発症者への投与が承認されたが、予防投与用途での治験も進んでいる。米ファイザーも開発する飲み薬候補で予防薬向けの治験を進めている。

国内勢では塩野義製薬が飲み薬タイプで9月末に国内で最終段階の治験を開始し、無症状者向けなどでも効果を調べている。一般に抗体カクテル療法は飲み薬などと比べて高額だ。グローバルヘルスケアクリニック(東京・千代田)の水野泰孝院長は「予防薬として投与対象を広げていくには飲み薬の実用化も必要だ」とみている。

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