岸田首相、荒井秘書官を更迭へ 同性婚巡り差別的発言
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岸田文雄首相は4日午前、同性婚を巡り差別的な発言をした荒井勝喜首相秘書官を更迭する意向を表明した。首相公邸で記者団に「進退を考えざるを得ない」「今回の発言は政権の方針とはまったく相いれず言語道断だ」と強調した。
「政権は持続可能で多様性を認め合う包摂的な社会をめざすと言ってきた」「厳しく対応せざるを得ない」とも主張した。
荒井氏は3日、同性婚のあり方に関して記者団に「隣に住んでいたら嫌だ」「同性婚を導入したら国を捨てる人もいると思う」などと語った。
同日中に「発言を完全に撤回する」と述べた。「完全にプライベートな意見で、こういうポストにある人間が言うのは望ましくない」と釈明した。
荒井氏は経済産業省出身で商務情報政策局長などを歴任した。2021年10月の内閣発足から首相秘書官を務める。首相の国会での答弁や演説の原稿づくり、政権のメディア対応で中心的役割を担う。
首相は1日の衆院予算委員会で同性婚にふれ「制度を改正するとなると、家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と答弁した。
野党が週明けの国会審議で、荒井氏の発言や首相の任命責任を追及する可能性がある。
首相は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点や政治とカネの問題などで22年10〜12月に4人の閣僚を相次ぎ事実上更迭した。
同12月には性的少数者(LGBT)への不適切な表現を重ねた杉田水脈前総務政務官を交代させた。杉田氏は月刊誌の論文でLGBTに関して「生産性がない」と記した。
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