車いすテニス国枝慎吾さんに国民栄誉賞、岸田首相が表明
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岸田文雄首相は3日、車いすテニスの第一人者である国枝慎吾さん(38)に国民栄誉賞の授与を検討すると表明した。首相官邸で記者団に「20年近くにわたって世界のトップで前人未到の活躍をし、スポーツ界に大きな業績を残した」と語った。「国民栄誉賞を通じて業績をたたえる」と話した。
首相はこれに先立ち松野博一官房長官に検討を指示した。松野氏は同日の記者会見で「スポーツ庁の協力を得て関係者の意見も聞いた上で最終判断する」と述べた。
国枝さんはパラリンピックで金メダルを4個獲得し、車いすテニスの四大大会での優勝回数は歴代最多の50回だった。パラリンピックと四大大会をいずれも制する「生涯ゴールデンスラム」を達成している。1月に引退すると明らかにした。
松野氏は会見で「パラスポーツ全体の普及、スポーツの発展に極めて顕著な貢献をし広く国民に夢と感動、社会に明るい希望や勇気を与えた」と評した。「国民的にも多くの方が授与に関心や賛辞を寄せている」との認識を示した。
国民栄誉賞は1977年の王貞治さん以降、これまで26人と1つの団体に授与された。直近ではフィギュアスケート男子で五輪を2連覇した羽生結弦さんが2018年に受けた。
首相は3日、首相官邸で室伏広治スポーツ庁長官とも面会し協力を求めた。室伏氏はその後、記者団に「本当に喜ばしい。我々は協力する」と説いた。「パラスポーツ、スポーツ界全体、世界からも大変評価が高い」と強調した。