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ワクチン接種・陰性証明で制限緩和 政府分科会が提言

希望者への「2回目」完了後を想定

(更新)

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は3日、ワクチンが行き渡った後の経済社会活動の制限緩和について提言した。接種証明書や検査の陰性証明書を活用し、医療機関・高齢者施設での面会や県境をまたぐ旅行、大規模イベントなどの制限を緩める仕組みの検討を求めた。百貨店や飲食店での活用も検討する必要があると明記した。

政府が同日開いた経済財政諮問会議でも、民間議員がワクチン証明や陰性証明を活用した経済活動の制限緩和へのロードマップ(行程表)を早急にとりまとめるべきだと提言した。菅義偉首相は「感染対策と社会経済活動の再開を両立させる道筋を早期に示していく」と表明した。

ワクチン接種後の経済社会活動の制限緩和をめぐる議論は退陣する菅政権に限った動きではない。自民党総裁選に立候補を表明している岸田文雄前政調会長らも言及している。政府内で政権が代わった後も引き続き検討される見通しだ。

政府は秋までに希望者への2回接種を完了させると想定している。提言はその後、具体的にどのように生活の制限を緩和していくかという国民的な議論の「たたき台」(分科会の尾身茂会長)を示すのが狙いだ。

個人が他者に二次感染させるリスクが低いと証明する「ワクチン・検査パッケージ」という仕組みを提案。マスク着用などの基本的な感染対策を継続しつつ、この仕組みを活用して行動制限の緩和は段階的に状況に応じて進める考えを示した。

感染力の強いインド型(デルタ型)の拡大などを踏まえ「全ての希望者がワクチン接種を終えたとしても社会全体が守られる意味での集団免疫の獲得は困難」と提言に明記した。

今後の最も可能性が高いシナリオとして接種率は60歳代以上が85%、40~50歳代が70%、20~30歳代が60%と想定した。この場合、マスクの着用やイベントでの密集の回避、会食での人数制限、テレワークなど引き続き生活に一定の制限が必要になると言明した。

尾身会長は記者会見で「ワクチンだけの感染制御は困難だ」とも指摘。提言でも健康観察アプリや検査キット、室内の換気具合を調べる二酸化炭素濃度測定器などの活用が必要だと強調した。

諮問会議の民間議員も3日の会合で、感染症対応の主たる目標を重症化防止に移行すべきだとの提言を出した。「ワクチン接種証明や検査・陰性証明の活用により、感染拡大・重症化の防止と経済社会活動を両立する新しい国民生活の姿を実現すべきだ」と唱えた。ワクチン接種者への帰国・入国時の隔離措置の緩和などを盛り込んだ。

いまは21都道府県で緊急事態宣言が発令されている。宣言の期限は現状12日までとなっているが、田村憲久厚生労働相は12日に解除するのは「かなり厳しい」との認識を示している。

3日の政府分科会でも「いまの感染拡大防止が緩む」と提言に慎重な意見も相次ぎ、飲食店での酒類提供などの記述は見送った。コロナ患者を受け入れる病床確保など医療提供体制も含めた議論が必要になる。

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