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物価の低迷浮き彫り 指数の基準改定、上昇率マイナスに

総務省は6日、消費者物価指数(CPI)の算出基準を改定した。直近の6月の物価上昇率は前年比マイナス0.5%と、旧基準より0.7ポイント低下した。値下げが続く携帯電話料金の比重が増したことなどが影響した。物価を押し上げる個人消費の基調が弱く、デフレ脱却が遠い実態が改めて浮き彫りになった。

物価指数は、社会の実態からズレるのを防ぐために5年ごとに基準を改定している。消費の変化を反映して調査対象の品目そのものを入れ替えたり、品目の比重を調整したりする。20日に発表する7月分の指数から新基準に切り替える。

先行して20年1月以降の指数を遡って改定した。同じ基準で比較できる21年以降の上昇率をみると1~2月は生鮮食品を除く総合で0.1ポイント、3月は0.2ポイント下がった。マイナス幅は携帯大手が低価格プランを導入した4月に0.8ポイントに拡大した。5~6月も0.7ポイント落ち込んだ。

6月の低下幅は1981年以降の基準改定で最も大きい。全体の押し下げ効果は携帯だけで0.5ポイントに達する。支出の増大を踏まえて比重を高めたことも影響している。

今回、調査手法そのものも変更し、一部の家電などでインターネット価格を広く反映するようにした。ネット上は実店舗に比べ値下げ圧力が働きやすいとされる。テレビは旧基準では3.2%上昇していたのが、改定で3.5%の下落になった。この分で全体が0.01ポイント下がった。

海外ではインフレが加速している。ワクチンの普及で景気回復が進む米国は6月の物価上昇率が5.4%に達した。コロナ後の落ち込みからの反動以上の伸びが続き、金融政策で量的緩和を縮小する議論も浮上している。欧州もドイツが2.3%、フランスが1.5%と日本より高水準だ。

日本は米欧にワクチンの普及で後れを取り、経済活動を制限する緊急事態宣言を繰り返している。物価上昇は勢いを欠き、低インフレが長引くとの見方が多い。

経済実態に物価指数を近づけた新基準は、コロナ危機の出口に向かう以前にデフレから完全に抜け出せていない日本の状況を鮮明にした。上昇率2%の物価安定目標を掲げる日銀の幹部は「携帯の影響が大きい」と冷静に受け止める一方で「想定より下方修正幅は大きい。サプライズだった」と漏らす。

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