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海洋プラ削減で国際枠組み 企業や消費者、変革迫られる

国連環境総会(UNEA)が2日、海洋プラスチックごみの削減を目指して法的拘束力のある国際枠組みを作ると決めたことを受け、プラスチックを使う企業や個人は変革を迫られる。海に流出するプラごみが観光や漁業などに与える経済損失は年に約2.2兆円に上るとの試算もある。環境負荷の低い企業が市場で高く評価され、成長の機会を得る傾向が強まる。

国際枠組みの具体的な形態は今後詰める。2022年後半に政府間委員会を立ち上げ、24年末までに作業を終える。締約国会議が「COP」の略称で知られる気候変動枠組み条約のように条約の形になる可能性がある。

枠組みの内容として、各国が行動目標を共有する仕組みの導入や取り組みの実効性の評価――などを盛り込むことで合意した。各国に課す具体的な義務や資金支援の仕組みは政府間委員会で検討する。

国連環境計画(UNEP)によると足元のプラスチック生産量は年間で約4億トンあり、40年までに2倍に増える見込みだ。海に流出する量は推定で年1000万トンを超え、40年に3倍に増える見通しという。50年にはプラごみが魚の量を超える試算もある。

汚染を減らす対策が急務となっていたが、海洋流出を規制する国際的な仕組みがなかった。今回の合意で、国連に加盟する193カ国・地域が協調してプラスチックによる環境汚染を減らす方向性が明確になった。

使用量の削減には最終消費者である個人の行動変容も欠かせない。英国やオランダといった欧州各国は15年以降に相次ぎレジ袋を有料化や使用禁止にした。日本も20年7月から有料化した。反発は大きかったものの、コンビニやスーパーで8割が受け取りを辞退するなど一定の効果があった。

政府は第2弾としてプラスチック資源循環促進法を22年4月に施行する。スプーンやマドラーといった使い捨てプラスチックを提供する事業者に削減義務を課し、受け取り意志の確認や有料化といった取り組みを促す。環境省と経済産業省は削減効果を見極め、より強い対策を導入するか検討する。

気候変動の国際枠組み「パリ協定」は各国から温暖化ガス排出削減の努力を引き出し、エネルギーや製造をはじめ幅広い企業に大きな変革を迫っている。プラスチック汚染に対する国際枠組みも動き出せば規制の効果は強まるとみられている。

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