放送の外資比率、変更時に届け出義務 改正法成立

放送事業者への外資出資規制を強化する改正放送法・電波法が3日の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決、成立した。買い増しなどで外資の議決権比率に変更が生じた時に、事業者に届け出を義務付ける。NHK受信料の引き下げ原資を確保するため、積立金制度の整備も盛り込んだ。
放送法と電波法は外資による支配を防ぐため、地上放送や衛星放送の事業者に対し議決権ベースの外資比率を20%未満にするよう定める。違反した場合は事業認定や免許を取り消す。
今回成立した改正法では、外資規制の見直しは2022年度内をめどに施行する。変更時の届け出のほか、外資の議決権比率を定期的に総務省に報告することも求める。外資比率が20%以上になってもすぐに事業認定や免許を取り消さず、一定の猶予期間を設けて是正させる制度も整える。
NHKに関しては受信料引き下げの原資となる繰越剰余金の積み立て制度を導入する。受信料未払い世帯に対する割増金の徴収を可能にする。
NHK受信料の引き下げ策を盛り込んだ放送法改正案は、政府が21年の通常国会に提出していた。野党が総務省幹部への接待問題や放送事業者の外資規制違反を問題視し、廃案になっていた。