感染者の同居家族、濃厚接触でも待機7日に短縮
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後藤茂之厚生労働相は2日、新型コロナウイルス感染者の同居家族などの濃厚接触者の待機期間を見直すと発表した。現在の最大17日から7日に短縮する。家族の発症日から7日目より後に発症するケースはほとんどないとする国立感染症研究所(感染研)の報告を踏まえ対応する。
子どもの発症などから10日後の療養終了日を「最終接触日」とし、家族らはさらに翌日から7日間の待機が必要だった。子どもが無症状の場合でも計14日間で、看病する保護者の出社までに時間がかかり、企業の業務にも支障が出ていた。
2日から適用した新基準では家族の発症日か、家庭内でマスク着用などの感染対策を講じた日を0日目とカウントし、7日目までに発症がなければ同居家族は待機期間が終わったとみなす。ただ、途中で他の家族が陽性となった場合は、その時点から新たに7日間の待機が必要になる。
感染研の報告によると、濃厚接触者が発症する割合は一次感染者の発症日から7日目までに99.98%で、それ以降に発症することはほとんどないとみている。後藤氏は「発症までの期間が短縮している実態に即して、エビデンスベースで見直した」と強調した。
厚労省にコロナ対策を助言する専門家有志は2日、同居家族など以外も含め、濃厚接触者の待機期間を7日で終え、陰性確認のための検査は不要とする提言をまとめた。
感染拡大地域では症状の軽い若年者や基礎疾患のない人への健康観察、入院などの対応を省略することも求めた。専門的な医療を必要としない患者が多数を占め「中等症から重症者を含む感染者への対応に支障をきたしつつある」と言及した。