電波オークションに懸念、日本新聞協会 総務省に意見
日本新聞協会は2日、国が電波の利用権をより高い金額を提示した事業者に与える「オークション制度」について、放送用周波数への適用に懸念があるとする意見を総務省に提出した。「小規模な放送事業者が資金不足から応札できず、地方の情報発信の担い手が減少することにもなりかねない」としている。
総務省がオークション制度の導入を「引き続き検討する」とした報告書案を6月に公表し、今月2日まで意見を募集していたことに応じた。
新聞協会は、オークションは「過当な価格競争を引き起こす可能性のある制度」と指摘。小規模な放送事業者が電波を落札できなくなれば「憲法が保障する国民の『知る権利』をも損なうことにつながる」と訴えた。
その上で、オークション制度の導入には「これまでも各方面から懸念の声が上がっている」とし、「真に国民の利益にかなう制度となるよう、幅広い観点で具体的な制度整備を進めることを要望する」と結んだ。〔共同〕