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Apple調査に5年、公取委「時に激しい議論」 会見要旨

(更新)

公正取引委員会は2日、米アップルの決済手段制限を巡る調査を終結する方針について記者会見で説明した。一問一答は以下の通り。

――審査対象を動画などのコンテンツを閲覧する「リーダーアプリ」に限定した理由は何か。

「音楽配信、動画配信、電子書籍といった市場は著作権の負担が大きい。著作権料負担が販売価格の6~7割を超えることがある。30%の手数料を乗せるとほとんど利益がでない。アプリ開発者の努力で圧縮することが難しいため着目した」

――独禁法上の考え方として、課金方法にどんな疑いがあったのか。

「外部決済(アウトリンク)を禁止する行為が、私的独占、または拘束条件付き取引に該当する」

――ゲームなどのアプリは決済手段制限が続く。容認しているのか。別の問題として今後注視していくのか。

「今回はゲームに問題あるのか、ないのかを判断したものではない。今後の審査についてはコメントを控える」

――米グーグルが運営するアプリ配信サービス「グーグルプレイ」にも対応を求める動きがある。アップルのみに焦点を当てた理由は何か。

「今回の発表はアップルに対する公表で、その他の企業のことは差し控える。同様の企業が、同様の行為を行っている場合には独禁法違反の問題になりうる。違反行為に厳正に対処することはいうまでもない」

――外部決済を認めることで、アプリ開発者が割安な料金でサービスを提供できるようになるなどの改善効果が見込まれるのか。

「アップル側に30%の手数料を支払うことはなくなる。これまで支払っていた手数料の分について今後、競争条件がそろっていくと考えられる」

――自主的な改善を確約することで処分などを免除される「確約手続き」を適用していない理由は何か。

「アップルから有効と考えられる自発的措置の申し出があった。確約手続きを使うと、詳細な事実について審査を行う必要があり、さらに時間がかかる。アプリ開発者への影響を一日でも早く取り除くということに重きを置いて、確約手続きをとらず、審査を終了する判断をした」

――音楽配信大手スポティファイは今回の決定は解決にならないと表明している。

「事業者にはさまざま事情がある。アプリストアの使用の対価を手数料として徴収すること自体は、独禁法上問題にはただちにはならない。(アップル側の)措置で独禁法上の懸念は払拭されるというのが今回の判断だ」

――2016年に調査を始め、5年経過した。難しかった事情は何か。

「証拠収集の一環として必要な調査、手続きを重ねてきた。アップル側との意見交換も行ってきた。その結果として調査期間が長いとは考えていない」

――アップル側の措置をどう評価しているのか。

「粛々と独禁法をアップルに対して執行してきた。各国が問題を取り上げ、訴訟・命令が出ているなか、議論にベースをおき、お互いの考え方を共有した。時には激しい議論に発展することもあった。粘り強く続けることで考え方に対して一定の理解を得ることができた」

――調査を通じて公取委が学んだことは何か。

「デジタル分野にかなり力を入れて取り組んできた。16年以降、それなりの実績を積んできていると思っている。専門的な分野で、どうやって独禁法上の問題を分析していくのか。外国企業は言語の問題もある。国内の通常事件を処理するのとは色合いが違う。どうやって乗り越えていくのか考えながら、しっかりやってきたところだ」

(藤田このり、金子冴月)

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