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法人企業統計、経常益8期ぶりマイナス 22年10〜12月

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財務省が2日発表した2022年10〜12月期の法人企業統計によると、全産業(金融・保険業を除く)の経常利益は前年同期比2.8%減の22兆3768億円だった。マイナスは8四半期ぶり。製造業が15.7%の大幅減で全体を押し下げた。物価高や世界経済の減速が影を落とし、企業業績の拡大にブレーキがかかった。

経常利益の額は10〜12月期として過去最高だった前年を下回ったものの2番目に高い水準となっている。

主要業種をみると、製造業は化学が26.9%の減益だった。石油・石炭は赤字に転落した。原材料価格の上昇が響いている。化学は研究開発費もかさんだ。情報通信機械は海外需要の減少を背景に34.4%の減益だった。

非製造業は5.2%の増益だった。新型コロナウイルス禍からの回復基調を保っている。政府の「全国旅行支援」の補助効果があり、運輸業・郵便業は93.7%増と目立って伸びた。

非製造業でも一部の業種は電気料金の高騰が響き、減益となった。22.9%減の情報通信業は電力消費量の多いデータセンターの経費が膨らんだ。サービス業も11.8%減少した。

売上高は6.1%増の372兆5850億円だった。業種別では製造業が9.2%増。輸送用機械関連が13.6%増えた。非製造業は4.9%増で、電気料金の高騰を背景に電気業(44.8%)の売上増が目立った。

設備投資は全体で7.7%増の12兆4417億円と7期連続のプラスだった。デジタル化や省人化などで旺盛な投資が続いているとみられる。非製造業で8.6%、製造業で6.0%伸びた。

製造業は化学(26.2%)や金属製品(56.4%)が大きく増えた。脱炭素やデジタル関連の投資が旺盛だ。非製造業は新規出店が進んだサービス業で21.9%伸びた。

財務省は今回の法人企業統計について「緩やかに持ち直している景気の状況を反映している」と説明した。先行きについては「物価上昇などの影響を注視する」と、コスト高が企業経営を圧迫するリスクに懸念を示した。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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