防衛費増額の安定財源、自民党で「増税反対論」相次ぐ
世耕氏「法人税はおかしい」
(更新)

自民党の世耕弘成参院幹事長は1日、防衛費の増額の財源として増税をすることに慎重な姿勢を示した。「財源確保は責任ある姿勢として必要だが、イコール増税では絶対にない」と述べた。党会合で語った。
世耕氏は「雰囲気として『法人税ならいい』という感じだがおかしい」とも主張した。経済状況で増減する法人税は財源として安定性を欠き、企業の賃上げなどにも逆行すると訴えた。
自民党の「責任ある積極財政を推進する議連」も1日に提言をまとめた。「防衛費増額は国債発行によるものとすべきだ」と指摘した。国債の60年償還ルールを廃止し国債償還費を財源にするよう唱えた。
党税制調査会の小委員長を務める塩谷立元文部科学相は1日「現状、安定財源が年内に決着できるかが難しい」と見通しを示した。党会合で語った。
政府の有識者会議がまとめた報告書は「幅広い税目による負担が必要」と記した。防衛費増額のために増税を選択肢にしており、所得税や法人税が候補とされている。
岸田文雄首相は鈴木俊一財務相らに年内で財源に関する結論を出すよう指示している。自民党の宮沢洋一税調会長は党税調で財源を議論すると表明した。一方で党の国防部会などが11月29日に開いた会議でも増税への慎重論がでていた。