ロシア資源開発「撤退しない」 経産相、安全保障重視

萩生田光一経済産業相は1日の記者会見で、日本が権益を持つロシアでの石油や液化天然ガス(LNG)の資源開発事業について「撤退しない方針だ」と述べた。日本の商社などは現地で「サハリン1」「サハリン2」「アークティックLNG2(アーク2)」の3事業に出資している。いずれもエネルギー安全保障上、今後も欠かせないと判断した。
萩生田氏は極東でのサハリン1、サハリン2について「権益があり長期の引き取り手が確保されている。現状のようなエネルギー価格の高騰局面では市場価格より安価に調達できる。エネルギー安全保障上極めて重要だ」と説明した。
北極圏でのLNG開発事業のアーク2についても「撤退しない方針だ」と述べた。経済制裁により、欧州からロシアへのエネルギー分野への新規投資が禁止された。アーク2に出資する日本やフランスの企業は新規投資ができなくなっている。萩生田氏は「制裁の影響を分析して適切に対応したい」とも述べた。
ロシアのプーチン大統領は3月31日、米欧日など「非友好国」の企業がロシア産天然ガスを購入する場合にルーブルでの支払いを義務付ける大統領令に署名した。萩生田氏は対象が限定されているとの認識を示し「ただちに日本に影響があるとは思っていないが、注視したい」と話した。
サハリン1は経産省、伊藤忠商事、石油資源開発、丸紅、INPEXが出資している。サハリン2は三井物産と三菱商事が出資。アーク2は三井物産と独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が出資している。

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