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マイナンバーカードどう作るどう使う 保険証利用始まる

マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「マイナ保険証」の本格運用が10月20日に始まった。年内に開始する新型コロナウイルスワクチンの接種証明書のオンライン発行にもマイナカードを使う。カード1枚であらゆる行政手続きがオンラインで済むのが理想として2016年に始まったが、ようやく活用が広がってきた。マイナ保険証の利点や、今後広がる利用法とスケジュールを解説する。

マイナ保険証は医療機関でマイナカードを健康保険証として使えるシステムだ。病院や診療所、歯科クリニック、薬局などの受付で専用の読み取り機にカードをかざせば、顔認証で簡単に受け付けてもらえる。待ち時間が短くなるといったメリットがある。転職や引っ越しの際に保険証を発行し直さずに済む。

マイナンバーの専用サイト「マイナポータル」(https://myna.go.jp/)で健診結果や薬剤情報も確認できるようになる。医療機関側は患者の保険資格の確認作業を自動化でき、情報入力の手間を省ける。

11月からは自分が使った医療費を閲覧できるほか、21年分の所得税の確定申告から医療費控除の手続きもできる。医療機関でもらった紙の領収書などを1枚ずつ管理する必要がなくなる。

問題は医療機関のシステム対応が遅れていることだ。厚生労働省によるとシステム改修などの準備を終えた医療機関・薬局はわずか8%程度。利用機会が多い診療所(歯科を除く)では10月3日時点でわずか5.8%にとどまる。マイナ保険証に対応していない医療機関を受診する場合は、今まで通り、保険証を持参する必要がある。

接種証明書、スマホのアプリで即発行

コロナワクチンの接種証明書は年内にデジタル対応が始まる予定だ。利用者はスマートフォンのアプリ上で申請すれば直ちに発行してもらえる。アプリ上でマイナカードを読み取って4桁の暗証番号を入力する。自治体の窓口に赴く必要がなくなり、すぐに取得できるようになる。

22年にはマイナポータルでワクチンの接種歴が閲覧可能になる。既にマイナポータル経由で海外渡航者向けの接種証明書が取得できるが、対応している自治体は少ない。

マイナポータルでは現在、児童手当の現況届や介護保険サービス利用者負担額の助成などの行政手続きができる。国税庁の電子申告・納税システム「e-Tax」や日本年金機構が運営する「ねんきんネット」ともつながっており、パソコンやスマホで自分の年金記録が確認できる。

24年度までに運転免許証と一体に

マイナカードの活用拡大は、9月に発足したデジタル庁の重要な課題になる。22年度にもスマホに電子証明書機能を載せるほか、24年度末までに運転免許証と一体化する。

政府は転入届で対面の手続きを不要にする法改正も検討する。マイナカードの保有が前提となる。転出届はすでにオンラインで提出できる。実現すれば転出から転入まで一貫して自治体の窓口に出向かずに済ませられるようになる。総務省は年内にも具体策をまとめ、22年の通常国会で関連法改正をめざす。

総務省消防庁は22年度、認知症や突然の意識不明などのため十分な意思疎通ができない患者を救急車で搬送する際、本人が携帯するマイナカードから年齢や受診歴などの情報を入手する実証実験に取り組む予定だ。

発行枚数は全国民の4割弱

マイナカードの交付は16年に始まった。国民一人ひとりに割り当てられた12桁の番号と個人情報をつなぐ。「取得する必要性が感じられない」「身分証明書になるものは他にある」「個人情報の漏洩が心配」(18年の内閣府世論調査)などの理由で取得が進まなかった。発行枚数は20年3月時点で1973万枚。コロナ禍で利用者が急増し、21年10月1日時点で4867万枚に達した。それでも交付した割合は全国民の38%にとどまる。

マイナカードはパソコンやスマホ、郵送などで申請できる。住民票記載の住所に簡易書留で届く「個人番号通知書」と「個人番号カード交付申請書」を使う。詳しい申請方法は地方公共団体情報システム機構の「マイナンバーカード総合サイト」(https://www.kojinbango-card.go.jp/kofushinse/)で確認できる。申請後1カ月程度で自治体から交付通知書が届く。カードの受け取りには予約が必要な自治体が多い。交付場所では本人確認後に暗証番号の設定のために時間がかかるので注意が必要だ。

マイナカードの普及に向けて政府は「マイナポイント」事業を12月末まで続ける。交通系ICカードやスマホを使ったQRコードなどでキャッシュレス決済した場合、利用額の25%(最大5千円相当)分のポイントを還元する。公明党はマイナカードに1人当たり3万円相当のポイントを付ける衆院選の公約を発表した。岸田文雄首相は「与党の議論を踏まえ政府内でも検討を進めていく」と述べた。独自のポイント還元を実施したり、ワクチン接種会場で申請を受け付けたりして普及に努める自治体もある。

グラフィックス 佐藤綾香

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