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3回目接種、現役世代はいつ? 高齢者ら前倒し

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種(ブースター接種)で65歳以上の一般高齢者への前倒しが広がっている。2021年12月から医療従事者や高齢者施設の利用者らを対象に始めているが、今後は高齢者のほか64歳以下への前倒し接種が広がる。3回目接種のスケジュールや効果、副作用などを解説する。

2回接種してから原則8カ月後だったが…

厚生労働省は1月13日、3月から2回接種後の一般の高齢者は6カ月、64歳以下の現役世代は7カ月の間隔にすると発表した。当初は原則として2回目接種から原則8カ月後を接種のめどとしており、それぞれ2カ月、1カ月の前倒しとなる。既に医療従事者や高齢者施設利用者などは6カ月の前倒しを決定。12月には一般の高齢者について7カ月に前倒しした上で接種は1月から可能との方針を示し、主要都市では福岡市が5日から開始していた。ただ、ワクチンの供給や配布計画、自治体の準備など円滑な実施には課題が多い。

防衛省は自衛隊が運営する大規模接種センターを31日に東京・大手町で開設する。21年11月に閉鎖した会場で規模を縮小して実施し、米モデルナ製を接種する。18歳以上で3回目の接種券を持つ人が利用できる。大阪では大阪市内の民間ビルに2月7日に開設する。企業などによる「職場接種」は3月に始まる予定だったが、厚労省は17日、2月下旬に前倒しを決めた。職場接種では3回目も2回目までと同様にモデルナ製を使う。職場での1、2回目の接種は約4000の会場で計950万人以上が接種した。21年6月に募集を始めた1、2回目の実施企業などが対象で、厚労省によると1月17日時点で申込数は2265。

オミクロン型には効く?

米ファイザーは21年12月8日、同社製の3回目接種が、感染力の高い変異型「オミクロン型」に対しても高い予防効果をもつとの初期調査の結果を発表した。2回接種では効果は大きく低下するが、3回目の追加接種後は従来と同程度の効果があることが実験で判明したという。イスラエルの研究者らは米ファイザー製ワクチンの2回目接種から5~6カ月経過した20人の血液と、3回目接種から1カ月経過した同数の血液を分析。2回目接種ではオミクロン型を無力化する能力がほとんどなかったのに対し、3回目接種では大幅に高まる結果となった。ただ、3回目の接種を終えても有効性はデルタ型と比べると4分の1程度にとどまることもわかっている。

米モデルナも12月20日、3回目接種をした場合にオミクロン型に対する体内の抗体が大幅に増えたとする臨床研究の結果を発表した。同社によると、2回接種を終えた人はオミクロン型の感染を防ぐ「中和抗体」の量が少ないが、3回目として1~2回目の接種量の半分にあたる50マイクログラム(マイクロは100万分の1)を接種したところ、29日後に中和抗体が約37倍に増えた。また、1~2回目と同等の100マイクログラムを接種した場合は約83倍に増えたという。ただ、2回接種からどの程度経過した人を研究対象としたのかや、2回接種時点でのオミクロン型への予防効果は明らかにしていない。

副作用は2回目と同程度

厚労省の研究班は、ファイザー製ワクチンの3回目接種を受けた人で2回目と同じような副作用があったとの調査結果をまとめた。12月に接種を受けた約1000人のうち、およそ4割が発熱した。翌日を中心に1割程度が病気休暇をとったという。研究班は同社製の2回接種から約9カ月後に打った約1050人について熱や頭痛など副作用の症状を調べた。

3回目の接種では全体の39.5%の人が37.5度以上、20.3%が38度以上の発熱だった。どちらも2回目と同水準だった。2回目に37.5度未満だった人の多くは3回目も熱が出なかった。同調査では1回目の発熱者は数%にとどまった。3回目接種ではこのほか、接種した部位の痛みが92.3%、倦怠(けんたい)感が70.8%、頭痛が56.1%の人で生じた。

モデルナ製ワクチンは12月17日から3回目接種で使用されている。接種量は1、2回目の半分の量だ。大阪大学微生物病研究所の荒瀬尚教授は「(モデルナ製は)半量になってもファイザー製よりも投与量は多い。同等の効果が期待できるだろう」と話す。副作用については、2回目接種後と同等の頻度だ。モデルナ製の治験では、接種部分の痛みは約84%、接種後の倦怠感は59%にみられた。接種部分の腫れ(5%)や発熱(7%)など、2回目接種後より少ないものもあった。モデルナ製では特に2回目接種時に、若い男性で10万回あたり数例だが心筋炎などが疑われる症状が報告されている。

今回の追加接種で厚労省は、2回目までと異なる種類のワクチンを使う「交互接種」を認めている。モデルナ製や英アストラゼネカ製を打った人も3回目にファイザー製を選択できる。逆にファイザー製、アストラゼネカ製のワクチンを接種した人でも職場接種会場でモデルナ製を受けることが可能だ。日本経済新聞が12月下旬に行った調査ではファイザー製からモデルナ製に切り替わる住民が2割になるとの見通しが明らかになった。主力だったファイザー製の供給が少なく、主要都市の大半がモデルナ製の比率を高める。

2回目まで市区町村の運営会場はファイザー製、企業などの職場接種や自衛隊の大規模接種会場などはモデルナ製を主に使用していた。大都市圏に比べ職場接種などが少なかった地方都市ほど、3回目はモデルナ製の比率が高まる傾向がある。

海外での3回目接種はイスラエルが21年8月から先行して開始。1月3日には60歳以上の市民と医療関係者を対象にした4回目接種を始めた。オミクロン型の流行を受けて英国やフランスは2回目からの接種間隔を3カ月に短縮している。

グラフィックス 竹林香織 佐藤綾香
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