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中古住宅購入の流れ 予算策定から住宅ローン手続きまで

20代からのマイホーム考(43)

年度末までに家を買って引っ越そうと考える人が多いということもあり、3月は中古住宅の取引件数が増える時期です。中古住宅購入の流れを知っていれば、スムーズな住まいの購入を実現できます。今回はそのステップを簡単に説明します。

まずは予算策定

手元の現預金と今後の収入から将来の支出を想定して、住宅購入費をどの程度にすべきかを考えます。具体的には、手元の現預金と今後の収入から、日々の生活費や趣味の費用、将来への蓄え(教育資金や老後資金)を差し引き、毎月の住宅ローン返済額上限を考えるということになります。なお、住宅購入費は、実際の購入価格に諸経費(登記費用や仲介手数料、引っ越し費用など、購入価格の8%程度を想定)を加算しておく必要があります。

物件探し

物件探しは、いくつかのウェブサイトを検索するのがベストでしょう。中古住宅ならば売り出し中の物件はこれらのサイトでほぼカバーできると思います。いくつか気になる物件が出てきたら、見学を申し込んでみましょう。このタイミングで、金融機関に住宅ローンの事前審査(借り入れについて問題がないかどうかの基本的な審査)をお願いしておくとよいと思います。購入申し込み書の提出の際、事前審査を終えていることが条件となる場合が多いからです。事前審査はウェブ上で取り扱ってくれる金融機関が多いので一度サイトを見ておくとよいでしょう。

購入申し込み書の提出

購入したい物件が決まったら、不動産業者が用意する購入申し込み書に購入希望額、契約希望時期、残代金支払い希望時期、その他希望条件を記載して提出します。売り主がこの申し込み内容に応諾すれば、売買契約手続きに進むことができます。申し込み書提出時に注意したいのは、不動産業者が買い主に購入を強く勧めることがあり、じっくり考えないままに申し込みをしてしまうケースがあることです。購入申し込みをしたからといって法的に契約したことにはならないので、契約締結までであれば購入をやめることは可能ですが、売り主や不動産業者に迷惑をかけることになりますので、少し冷静になってから申し込み書を提出したほうが間違いがないと思います。

重要事項説明と不動産売買契約の締結

契約締結日は、購入申し込み書を提出してから1~2週間後となることが多いです。この期間中に契約関連書類を事前にもらって熟読しておくと安心です。契約日には、不動産業者から購入不動産に関する重要な事項について重要事項説明を受け、その直後に不動産売買契約書に署名なつ印し、手付金(売買価格の5%から10%程度)を売り主に支払います。また一般に、契約時点で仲介手数料の50%相当額を不動産業者に支払います。

売買契約締結で契約が法的に成立しますので、契約を解除する場合には支払い済みの手付金を放棄するなどのペナルティーが科されます。ただし住宅ローンの本審査が通らなかった場合には白紙解除できるようになっているのが通常です。

なお、契約締結の段階では不動産売買契約は成立していますが、不動産の所有権はまだ売り主にあります。所有権の移転は、買い主がお金を借りて残代金を支払った時となりますので、ローンの手続き期間を踏まえ、契約上、残代金支払日は売買契約締結日から1カ月程度先としておくのが一般的です。

住宅ローンの手続きと残代金支払い

不動産売買契約を締結したら、金融機関に対して速やかに住宅ローンの本申請をします。審査期間は金融機関によって様々ですが、繁忙期や年末年始でない場合は2~3週間程度が一般的です。審査が通れば金融機関と金銭消費貸借契約(住宅を購入するための借入契約)を結びます。これによって金融機関は、不動産売買契約で決められた残代金支払日に融資を実行してくれます。

残代金を売り主に支払うと不動産の所有権が買い主に移転します。同時に所有権移転登記と住宅ローンの抵当権設定登記手続きを行います(一般に不動産業者が紹介してくれる司法書士に手続きを委託します)。これで晴れて住まいを手に入れたことになります。

このように、中古住宅を購入するためにはいくつものステップを踏む必要があります。今回説明したステップ概略だけでも理解しておけば慌てることはなくなると思います。

田中歩(たなか・あゆみ)
1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、「あゆみリアルティーサービス」を設立。不動産・相続コンサルティングを軸にした仲介サービスを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」にも参画。

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住宅資金は老後資金、教育資金と並ぶ人生三大資金です。20代、30代から考えたい「失敗しないマイホーム選び」について不動産コンサルタントの田中歩氏が解説します。隔週月曜日に掲載します。

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