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早期引退の夢「FIRE」したい人がいますべきこと

70歳リタイア時代の働き方(5)

写真はイメージ=PIXTA

働く人がいつかは迎えるリタイアの年齢について今月は考えてきましたが、自分でリタイアの年齢を「早める」選択を考えてみるのもひとつの選択です。今、その取り組みが話題となっています。

標準的な引退年齢より早くリタイアしたいなら

最近、日本でも話題になりつつあるリタイアメントプランのキーワードに「FIREムーブメント」というものがあります。英語で「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとってFIREというわけです。経済的な安定を早期に確立し、早期リタイアを実現しようという取り組みを表しています。

標準的な引退年齢より早くリタイア生活に入る夢は万国共通のようです。FIREムーブメントでは40歳代あるいは50歳代前半での早期リタイアを目指すことが多いようです。

早期リタイアするためには、当然ながら経済的基盤が必要になります。例えば1億円があって年4%の収益(つまり年400万円)を毎年確保すれば、資金は減らさずに年収400万円の生活を送れることになります。

資産1億円を実現する、というのは大変ですが、仕事に追われる生活から脱出しよう、というのは夢がある話です。

基本理念は実はマネープランの王道

米国の著名なFIREアドバイザーの書籍の邦訳がいくつか発売されたこと、日本国内の個人投資家のFIRE実践例を紹介した書籍が発売されたことから注目が集まっているようです。

いくつかの書籍をチェックしてみた感触としては、目標は壮大ですが、アプローチそのものはおかしいことをいっているわけではありません。

例えば、

・所得の最大化をはかるべく、仕事で年収を増やす方法を強く意識する
・支出の最小化をはかるべく、固定支出、日ごろの生活費を削減する
・収支差額を資産形成に回し、リスクとリターンのバランスを意識しつつ高い利回りの確保を目指す

ということ自体はマネープランニングの王道そのものです。

細かいアプローチの部分では「年収の70%を貯蓄しよう」といったり、「インデックス運用で十分」といったり「個別株で勝負をしよう」といったりする人もいますが、FIREの基本は計画的な老後資産形成そのものなのです。

年長者の批判は基本的に無視しよう

最近、FIREが話題になったからか、年長者が「FIREなんてくだらない」と批判をするのも目にします。例えば、早くに辞めたところで時間を持て余すだけで意味がない、という人がいます。

確かに、趣味や生きがいを持ってどう自由時間を過ごすかは難しい問題です。しかし「自分ができなかった悔しさから、若者を嘲るタイプの年長者」の発言は無視してかまいません(実際、そういう年長者は結構いるものです)。

あなたがもし本気でFIREを目指して、30歳代から50歳代前半まで週60時間労働をしたり、株式投資のために毎週10時間以上経済情報収集をしたりと本気でがんばったのなら、そのご褒美として人より5年あるいは10年早い引退をする権利を得て恥じることはありません。

経済的安定を確保したのち暇を持て余すのなら、収入を度外視して起業をしたり社会貢献をしたりしてもいいのです。それこそ、FIREを達成した人でなければできないチャレンジともいえます。

世の中にはとかく、年少者の成功を妬む輩がたくさんいますが、若い世代は気にせずFIREを目指して行動してみるといいでしょう。

未達でもいい それはそれで経済的に豊かな老後が待っている

ところで、FIREを成功させられないこともあります。思ったより資産形成がはかどらなかった場合、残念ながらアーリーリタイアメントを断念することもあるでしょう。

しかし、ここで「やはり年長者の言うことは間違っていなかった」とうなだれる必要もありません。ここまでがんばってきたFIREへの努力は決してムダにはならないからです。

なぜなら、あなたは「同じ年齢で引退する周囲の友人より、経済的豊かさを持ったリタイア」になるからです。結果として1億円をためられなかったとしても、同僚に数千万円の資産格差があれば、あなたのセカンドライフもより自由で豊かなものになってくるでしょう。

あるいは65歳、70歳になったとき、「プチFIRE」として5年早いリタイアをしてみるのもいいでしょう。会社にしがみつかずに気持ちよく引退するのは快感だと思います。

私は「老後に2000万円」問題を解決する糸口は「FIREムーブメント」ではないかと考えています。

あなたも日本版FIREを考えてみてはいかがでしょうか。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp

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