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若い世代に広がる資産形成 コロナ禍が背中押す

QUICK資産運用研究所調査

2020年は春先に新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界の株式相場が大きく下落した。未曽有の「コロナショック」は人々の生活様式だけでなく、お金に対する意識や投資行動にも変化をもたらした。QUICK資産運用研究所が11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」では、若い世代を中心に資産形成が広がりつつあることがわかった。

20~40代、値下がりは「チャンス」

調査は2016年から毎年実施しており、今回で5回目となる。対象は全国の20~74歳までの個人。日経リサーチの協力を得て11月27~30日にインターネット経由で実施し、5075人から回答を得た。

回答者のうち投資信託を保有している人に対し、コロナショックで投信の基準価格が下落したときにどう感じたか聞いたところ、若年層ほど「利益を増やすチャンスが来たと思った」との答えが多く、20代では38.6%にのぼった。20~40代までは「チャンス」と受け止めた割合が「このまま投資を続けて大丈夫か不安になった」と感じた割合を上回り、年代が上がるほど「チャンス」と受け止める割合は小さくなった。

コロナショックが起こる前から投資をしていた人にどのような投資行動をとったか聞いたところ、こちらも若年層ほど積極的だった。20代は「投資総額を増やした」と回答した割合が33.1%にのぼり、株価が下がったタイミングを狙って追加投資に動く傾向が強かった。30代でも3割近かった。

全体では投資総額を「増やした」が18.8%、「減らした」が8.1%、「投資をやめた」が3.0%で、残りの約7割が「何もしなかった(コロナショック前と後で投資行動に変化がなかった)」と回答した。これまで投資をしたことがなかった人への質問では、コロナショックを受けて投資を始めたり、証券口座を開いたりした人がいたこともわかった。

資産形成の必要性に意識高まる

もっとも、コロナショックは一つのきっかけにすぎない。資産形成に対する意識はこの数年で高まってきている。過去の調査結果をさかのぼると、資産形成・資産運用の必要性を感じる人の割合が増加傾向にある。比較可能な2017年の調査では「非常に必要性を感じる」「やや必要性を感じる」の合計が37.6%だったのに対し、19年と20年は5割を超えた。

投資信託の保有比率もわずかだが上昇してきた。18年が15.5%、19年が15.9%、20年が17.4%で、年代別に見ると20~50代の現役世代を中心に投信を保有する人が増えつつある。

足元では新型コロナの「第3波」が広がっているが、11月に日経平均株価は29年ぶりの高値を付け、米国ではダウ工業株30種平均など複数の株価指数が史上最高値を更新するなど相場環境が好転した。コロナショックの逆風下で運用を続けた人は、その後の回復局面で果実を享受できた可能性が高い。コロナ禍による外出自粛はまだ長引きそうで、時間に余裕ができたいまこそ、将来に向けた資産形成についてしっかり考えるいい機会かもしれない。

(QUICK資産運用研究所 西本ゆき)

アンケート調査概要
調査期間:2020年11月27日(金)~30日(月)
調査対象:全国の20~74歳の個人
回答者数:5075人(男性49.7%、女性50.3%)
調査方法:インターネット調査
調査会社:日経リサーチ

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