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スマホ見直し、初心者を待つ3つのハードル

知っ得・お金のトリセツ(43)

NTTドコモの新料金プラン「ahamo(アハモ)」

春のスマホ新プラン商戦たけなわ。23日にはKDDI(au)が「povo(ポヴォ)」を、26日にはNTTドコモが「ahamo(アハモ)」のサービスを開始する。いずれも月にデータ容量20ギガ(ギガは10億)バイトまで使えて2000円台後半と画期的な値付けだ。同様のアプローチでソフトバンクも「LINEMO(ラインモ)」を始めた。これまで利用者の不満が大きかった日本のスマホ通信費平均は月8000円台半ば。一方、これだけ払って実際に20ギガ以上使っている人は約1割しかいない。残り9割の人は自分のスマホプランを見直し、乗り換えを検討するチャンスだ。だが料金プランは多彩になっても気軽に乗り換えを実行しにくい「障壁」は依然として存在する。業界では常識でも、スマホ初心者にとっては素朴に驚きだった3つのハードルとは――?

2年縛りは終わらない

乗り換えを考え始めた時、まずチェックすべきなのは自分がそのプランに契約したのは何月だったか、ということだ。「そんな昔のこと忘れた」という人がほとんどだろうが、それ次第で1万円程度も乗り換えにかかる手数料が変わる可能性が高い。

関連するのはいわゆる「2年縛り」の慣行だ。2年間の継続契約を条件に月々の基本料金を割り引いて顧客を囲い込む、あれだ。縛られている身で契約を解除すると9500円などの違約金を払わねばならない。2年未満の解約であれば納得だが、問題は2年が過ぎてもすぐさま次の2年契約が始まり、5年たとうと10年たとうと「縛られ続ける」ことだ。2019年10月に施行された改正電気通信事業法以降、違約金の上限は1000円に引き下げられたが、対象になるのはそれ以降の契約者。昔からの契約者の違約金は基本、9500円のままだ。

違約金なしで解約できる月は1年に3カ月だけ巡ってくる。会社によって微妙な違いはあるが、例えば契約をした月が3月なら「更新月」は3~5月になる。自分が契約した月なんて覚えてない、という人は領収書をチェックしてみよう。領収書は「My docomo」や「My au」といった携帯会社のマイページから見られる。自分の毎月の使用ギガ数も領収書に載っている。この機に自分のデータ通信の使用ぶりを直視してみよう。総務省作成のポータルサイト(https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/keitai_denwa_portal/index.html)がわかりやすく道筋を示してくれる。

「持ち運び」もラクじゃない

キャリアを乗り換えても今の携帯電話番号を使い続けたかったら「MNP(Mobile Number Portability)」という番号持ち運び制度の手続きが必要になる。契約者が転出元に連絡して10ケタの「MNP予約番号」を発行してもらい、それを持って転出先に連絡するというツーステップだ。諸外国ではワンステップのところが多い。番号には15日間という有効期限があり、切れたら再度取り直す必要がある。

ウェブでも可能だが「わざと分かりにくくして転出を阻んでいるのでは?」と勘繰りたくなるほどプレゼンテーションの仕方に難がある。そもそもMNPという言葉自体なじみが薄いのにトップページなどで「ここから」と分かりやすく表示されていない。いざ手順に入ってからも、乗り換えたら「あれもこれもできなくなります」「ポイント失効します」と、必要な注意事項ではあろうが「ネガティブ情報」が延々続き、心の弱い人はこの時点で挫折してしまう。ウェブ以外に店舗、電話でも手続き可能なのでこの作業については電話で行うのが一番のおすすめだ。

ロックを外し自由になろう

携帯端末には2種類ある。iPhoneかAndroidか……ではなく、SIMロック端末かSIMフリー端末かだ。SIM自体は「Subscriber Identity Module」の略でスマホの一部品。携帯を識別する番号などが書かれたICカードでこれをいれることで通信が可能になる。大手キャリアが端末を販売する時、SIMにロックをかけて自社でしか使えないようにすることが多い。SIMロック端末のままではキャリアを乗り換えると今の端末を使うことは原則できなくなる。

クレジットカードを使わずに端末を分割購入して残債が残っている場合などを除き、ロックは自分で解除できる。作業自体は5分程度で簡単にできるので総務省のサイトを参考にしながら時間があるときにやっておこう。これで晴れてSIMフリー端末に。家電量販店やアップルストアなどで購入する端末はもともとSIMフリーで価格もキャリア経由とは異なる。こんなスマホ界の常識も初心者には新鮮な驚きだ。

4月以降は手数料が安く

4月以降はMNP手数料が安くなる朗報もある。これまでは転出時に3000円、転入時に3000円かかっていたが転出時は取らない会社がふえた。転入時の手数料も例えばソフトバングからワイモバイルなど、グループ間移動については無料化が進む(これまで取っていた方が驚きだが……)。これに加え、契約月以外に乗り換えると9500円かかることが多い違約金についてもちょっとしたワザで節約は可能だ。まずは同じキャリアの新しいプランに乗り換えておく。これは手数料なしでウェブ上の簡単な作業で可能だ。その上で例えば3月にサービス開始した別キャリアの新プランに翌月以降移動すれば手数料を節約できる場合が多い。家計に占める通信費の負担はバカにならない。会社やプランで異なるが、試してみる価値はある。

山本由里(やまもと・ゆり)
1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー編集センターのマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

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