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「マイナ健康保険証」まもなくスタート、不安に答える

知っ得・お金のトリセツ(39)

 マイナンバーカードの顔認証用カードリーダー

きょうから始まる確定申告。広告塔役の芸能人を筆頭に毎年2000万人以上が行うが、多くを占めるのは自営業の人などの納税申告ではなく、払い過ぎた税金を戻してもらう還付申告の方。こちらは3月15日(今年は4月15日まで1カ月延長)までの確定申告期間中に行う必要は実はなく、対象年の翌年初からいつでも行うことができ、さらに5年前まで遡れる。代表例が医療費控除だ。1年間に負担した医療費が家族合算で原則、10万円を超えると超過分×税率が戻ってくる。医療費が20万円かかり所得税率が20%なら2万円、住民税10%分と合わせて還付額は3万円。侮れない。

確定申告時の明細書作成が簡単に

そのためにはやや面倒な「医療費控除の明細書」の作成が必要だ。以前のように領収書片手に一枚一枚記入しなくても、健保組合などからもらう「医療費のお知らせ」を使い合計額を転記できるようになったが、一手間には違いない。このステップが来年以降の確定申告では簡単になる。まもなく3月からマイナンバーカードが健康保険証として使えるようになる予定で、政府が運営するマイナンバーのオンラインサービス「マイナポータル」と連携させることで、自分の医療データをクリックひとつで呼び出せるようになる。

顔認証になる病院の受け付け

3月以降に病院に行くと、これまでの有人受け付けに代わり、顔認証付きカードリーダーが待ち受ける医療機関が増えるはず。顔認証、もしくは4桁の暗証番号入力で本人確認後、マイナンバーカードのICチップ内の利用者証明用電子証明書を使って保険資格を確認する。どの公的健康保険の加入者で自己負担が何割で、1カ月の医療費が高額になったときの自己負担の限度額はいくらか――等々の情報を瞬時に把握。保険証忘れや、転職時など保険証が手元に届くまでのタイムラグも問題でなくなる。

同意すれば医療データの共有も

さらにインパクトが大きいのが医療データの共有だろう。患者本人の同意があれば、診察時に医師が様々な医療データを呼び出すことが可能になる。特定健康診査(メタボ健診)の結果を皮切りに、過去に処方された薬剤の情報や手術・透析歴、受診した医療機関名などにも段階的にアクセスできるようになる。本人の記憶に頼った問診の時間を大幅に削減できるようになる。

事前に必要な手続きは?

準備が済んだ病院では最速3月4日に「マイナンバーカード健康保険証」が使えるようになるが、それには患者側でもちょっとした準備がいる。まずはマイナンバーカード。ICチップを搭載したプラスチック製カードの保有は必須なので、まだの人は申請を済ませておこう。未保有者に対しては3月末までにQRコード付き申請書が配られる手はずになっている。ちなみに5000円分のキャッシュレス決済ポイントがもらえるマイナポイント事業も今年9月末まで延長されたが、それには3月までにカード申請を済ませておく必要がある。

手元にカードがある人はスマホやパソコン(カードリーダーが必要)を用いマイナポータルにアクセスしてみよう。トップ画面にある「健康保険証利用の申込」の欄から指示に従って申し込みを行う。カードを読み取って利用者証明用電子証明書を確認、暗証番号を入力する作業だ。暗証番号は数字4ケタ。3回間違えるとロックが掛かるので要注意だが、それさえなければ手続き自体はすぐに終わる。

保険証はなくなる? データ漏洩は大丈夫?~不安のFAQ

保険証がなくてもいいのは便利な一方、今度はマイナンバーカードを扱う不安もつきまとう。健康保険証化に伴う「よくある不安の声」に回答してみよう。

Q 保険証は使えなくなる?

A 保険証は今まで通り使える。将来的にはマイナンバーカードに統一される方向だが廃止スケジュールは決まっていない。従来通りの方法で受診可能なので心配はいらない。

Q 病院や薬局にマイナンバーを知られたり、カードを渡したりするのは心配だ。

A 保険証は受付で手渡ししていたが、マイナンバーカードになると原則、渡さなくなる。自分で読み取り機にかざす。その際読み取るのは利用者証明用の電子証明書だけなので、医療機関で12ケタのマイナンバーそのものを聞かれることはない。

Q 万一、カードを落としたら自分の病歴などが知られる?

A カードのICチップには医療データは保存されない。カードを落としても暗証番号を知られなければ本人のマイナポータルにはアクセスできないが、念のために紛失時は24時間対応の番号に電話をすればすぐに運用を停止してもらえる。

山本由里(やまもと・ゆり)
1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー編集センターのマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

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